【NIIKEIキシャメシ】 4月17日 新潟市中央区上古町のカフェで出会った本物の「ごちそうとん汁」

古町ぺんぎん商店。カフェながら「とん汁専門店」の文字も見える

とん汁が、くるおしいほどに好きだ。実際、すごい料理だと思うし、世間はとん汁を軽く見すぎだとすら感じる。「50円プラスでとん汁にできますよ」という軽い扱いはどうなのか。

本物のとん汁は単なる「具だくさん味噌汁」ではないと思っている。その醍醐味を教えてくれたのが、妙高市の有名店「たちばな」のとん汁だった。調理過程で水をほとんど使わず、大量の玉ねぎ他野菜から出る汁で成立させたとん汁は、旨みの凝縮感がすごかった。野菜のうまみでできているようなとん汁だった。本物のとん汁は「汁もの」のくくりですらない。
そんな「本物」のとん汁を新潟市内でも食べられる、しかもちょっとおしゃれなカフェで、という話を小耳に挟んだ。行くしかあるまい、そこがおしゃれカフェだとしても・・・

カフェ然とした店内で本物とん汁が供されるとは

新潟市中央区一番堀通り町。カミフルの極めて白山神社寄りにある「古町ぺんぎん商店」。白とウッド調でまとめられた店内はカワイイ系おしゃれカフェのそれ。入店してすぐに注文と会計のシステム。迷わず「ごちそうとん汁定食」(税込880円)、と思いきやメニューにはなんと「とんそば」もあるではないか。これは悩ましいところ。迷った末に初見ということもありとん汁定食で。

席に着くと、壁には新潟県をかたどった大きなオブジェがあり、米、豚肉、味噌、野菜など原材料の産地が明確になっている。ごはんは柏崎産のコシヒカリ、豚肉は村上の「越乃黄金豚」。地産地消もさることながらこだわりが見えるのが良い。
ややあって着丼。今日のようなうすら肌寒い日は、とん汁から立ち上る湯気に2秒ほどうっとりする。これ絶対うまいやつだ。まずはれんげでひとすすり。

「ありがとう、あなたにあえて本当に良かった」

 

「ごちそうとん汁定食」シンプルな構成がまた良い

これはうーまい!具材である野菜の旨みが全部溶けこんでいる、というかそれでできている。そこに越乃黄金豚の厚ぼったい旨みがどんと乘る。全体の輪郭をしょうがのキレがしっかり引き締める。からの峰村醸造の白みそ仕立てでまーるく収まる・・・と思いきや、奥からニンニクのガツンという旨みの追いうち。このパンチ力は「たちばな」じゃなくてむしろ上越エリアの味噌ラーメンの名店「食堂ミサ」の系譜か。ああ美味い

素材から出た旨み「だけ」でできている凝縮感

そして具が多い、本当に「ごちそうとん汁」だ。しょっぱさはあまりないのに、ごはんが進む。本物とん汁の殺傷力は高い。白飯がいくらでもいける。気付けば目の前の汁椀とごはん茶碗はすっかり空っぽに。
帰りがけにお店の人に聞いたが、やはり仕込み時に水は1割程度しか使っていないのだとか。全部素材から出た汁、エキス、旨みだ。いわゆる”ダシ”の類は一切入れていない。

だから言ったはずだ、本物のとん汁を甘く見るなと。すっかり堪能させてもらった。

<編集部・I>

 

古町ぺんぎん商店
新潟市中央区一番堀通町513-4

営業時間 11時~18時 火曜定休日

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