新潟県村上市とINSIGHT LAB(東京都)がDX推進で連携協定 瀬波温泉にITパーク構想【動画あり】
新潟県村上市は4月19日、データ利活用でビジネスを支援するINSIGHT LAB株式会社(東京都)と、DX(デジタルトランス・フォーメーション)の推進に関する連携協定を締結し、同日、村上市内において締結式を行った。
締結式には村上市の高橋邦芳市長と、INSIGHT LABの遠山功代表取締役社長が出席し、協定書を取り交わすとともに、記念撮影を行った。
連携協定は、村上市が2022年3月に策定した「村上市デジタルトランスフォーメーション(DX)推進方針」の取り組みを進めることを目的として締結。INSIGHT LABとの連携により、村上市の産業・教育・自治体のDX人材育成や地域課題の解決に取り組むことで、村上市DX推進方針の実現に向けたイノベーションの創出を目指す。
具体的な事業内容としては、市内企業や学校、市民、市職員向けのDX研修やプログラミング教室、動画制作スキルアップ講座などの人材育成、地域DXや自治体DXに寄与するサービスやソリューションの提供、経済および産業の活性化に関することなどを挙げている。
また、記者会見のなかで遠山代表は、産業の活性化に関する事業として、「瀬波温泉ITパークプロジェクト」の構想を明らかにした。瀬波温泉を「ITパーク」とし、そこに最先端の技術や人材を集めることで雇用を生んでいくとし、雇用においては、障がい者の就労支援の施設をつくり、IT技術を修得を支援することで、仕事をしながら自然豊かな村上市に住んでもらうことなどを構想として掲げている。
高橋市長は、「(INSIGHT LABから)DXによる地域の活性化について深掘りをしていただいている。その中で、担い手としての人材の育成にもいち早く取り組みを進められてきている。村上市のことを知っていただいている上で、どういう方向付けができるかを、私も驚くような指摘をいただいている。非常に強力な戦力だと思っており、しっかりと協力をして、今、本市が目指している『スマート村上』の実現へ確実な歩みを進めていきたい」と話し、遠山代表へ感謝の思いを伝えた。
遠山代表は、父親の出身が村上市瀬波地区にあり、村上市とは深いつながりがある。連携協定について、遠山代表は、「私の叔父から、『村上市は3分の1以上が高齢者で、これから活性化したいが我々の力だけでは難しい。全国や世界でやっているITに関することを持ってきてくれないか』という声をいただいた。村上市だからこそできるようなICTの施策など取り組めないかと思っている。『スマート村上』が実現できるように、しっかりと支援していきたい」と意気込みを語った。
INSIGHT LABは2005年に創業し、一貫してデータ利活用と向き合い、社会に新しい価値を提供し続けるエンジニア集団だ。国内では北海道から沖縄まで7拠点を展開し、海外ではイスラエルにも進出している。新潟県では2020年に新潟研究開発センターを設立し、妙高市や三条市などにもDX推進の支援を行っている。また、上越市にもサテライトオフィスがある。
(文・撮影 中林憲司)