新潟県の公文書管理システム内で電子データ約10万ファイルが消失する事故、県民や事業者などへの影響は調査中
新潟県は4月21日、県の業務で使用している公文書管理システムに登録した文書の添付ファイルが消失する事故が発生した事を公表し、記者会見を開いた。
新潟県は業務において、文書の作成、決裁、保存などを電子的に行う公文書管理システムを使用しており、起案や決済の履歴、伺い文、起案の添付ファイル(施工した文書など)は、保守業者のサーバーに保存している。今回は、3月24日から同月31日23時59分までに登録した文書の添付ファイルの一部が4月9日の夜に消失する事故が発生した。消失したファイル数は保守業者によると、10万3,389ファイルだという。
事故の発生原因については、システム保守業者の人為的ミスであり、外部の攻撃などによるものではない。なお、外部への流出はない。現在、消失したファイルの復旧作業を行うとともに、県民や事業者などへの影響を調査中。
会見によると、県民のサービスためのシステムデータベースのファイルが消失したものではなく、庁内の起案や決裁などの意思決定手続きの際の添付ファイルが消失したものであり、県民や事業者などに直ちに大きな影響があるものと想定していないという。
なお、当該システムは、2022年4月から運用が開始されており、開発および保守は、富士電機ITソリューションズ株式会社に委託していた。
システムの保守業者によると、新たな機能(保存する添付ファイルの拡張子を大文字から小文字に変更)を3月24日に適用させたことにより、不要な添付ファイルを削除する既存のプログラムが「拡張子が小文字の添付ファイル」を不要と判断し、削除してしまったという。
削除してしまったデータについて、保守業者において復旧の可否の確認も含め作業中であり、5月7日に作業が完了する見込み。また、復旧できなかった場合の県の業務への影響および対応ならびに県民、事業者などへの影響は調査中。今後は、保守業者の業務執行体制などを精査し、必要な対応を講じるとしている。