【長岡新聞】文信堂書店閉店 名残を惜しむ客あとを絶たず

最後の挨拶をする神保幸弘店長

 

4月10日をもって文信堂書店長岡店(JR長岡駅ビル「CoCoLo長岡」内、本社=新潟市中央区)が閉店となった。最終日までの間、名残を惜しむ客があとを絶たず、来店者は店長の神保幸弘さん(59)と連絡先の交換などが続いたという。

店内には「ブックセンター長岡」(文信堂書店の前にあった書籍店)」時代の神保店長の上司だという土田次郎さん(68)と杉本真喜子さん(画家)が「最後を見届けたい」と駆け付け、思いを馳せていた。

2人は揃って「ここは文化の発信の拠点だった。甲信越で一番の広さがあり、文具も市内で一番だった。」と懐かしんだ。特に杉本さんは「私が最初にレジに立ってお客様に挨拶して始まった。だから最後はどうしてもこの目で最後を見届けたいのです」と書店員に熱いエールを送っていた。

店内には「本日最終日」の張り紙が所々に貼られていた。閉店の午後7時30分になってもレジが途切れない状態だったが、最後は神保店長が深々と頭を下げ「ここに本屋があったこと。皆さんの記憶の中に長く留めておいて欲しい。皆さんの人生の中で、何かしら役にたてたのなら嬉しい」と感謝の言葉を口にした。残って見守っていた人たちは拍手で労をねぎらっていた。

 

書店員人生最後の日、幸せ

その後、神保店長はその日の様子を「多くのお客様に惜しんで頂き、本屋冥利に尽きます。書店員人生最後の日がこんなにも幸せなものになるとは思いもよらなかった。いつもの通り終わるつもりが、閉店のアナウンスがなっても、お客さんがなかなか帰らないのでご挨拶することになりました」と伝えてくれた。

長岡新聞 2023年4月20日付】

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