創立50周年のメモリアルイヤー開幕、長岡市立劇場が春まつりを開催(新潟県長岡市)

ステージ一杯に広がる紙に力強く文字を書く柳澤魁秀さん

新潟県長岡市にある長岡市立劇場は1973年10月24日、小林孝平市長の時代に開館し、今年10月で開館50周年を迎える。同市立劇場では23日、「劇場50周年春まつり」が開催された。1,500の座席数と多彩な舞台装置を備えたホールは、「長岡にいながらにして、本物の舞台芸術を」という人々の願いから誕生した。この「春まつり」は、同劇場のメモリアルイヤーの開幕を祝う第1弾である。

オープニングで長岡市消防音楽隊によるラデツキー行進曲が流れると、会場は大きな手拍子が響いた。

「みんなのステージ俳句・にこにこ川柳コンテスト表彰式」では、新潟県長岡市の出身で、新潟お笑い集団NAMARAに所属する高橋なんぐさん(42歳)がプレゼンターとしてステージに立ち、応募総数3,494句の中から、俳句部門で優秀賞を受賞した5人と、にこにこ川柳コンテストでブラボー賞を受賞した10人のうち登壇した2人を表彰した。

同俳句部門で受賞したうちの一人、原 峯子さんは、「とにかくびっくりした。“ステージ”というお題だったので、自分の過去の思い出を振り返って詠んだ。まさか自分がステージの上に上がるとは思いもしなかった」と受賞の驚きと喜びを語った。また、同川柳部門で受賞したうちの一人、なわとびさんは第九に関する川柳で受賞した。「自信がなかった。(川柳を)応募したこと自体忘れていた。皆さんも第九やってください」と語った。

当日登壇した受賞者は以下の通り。

<俳句部門>

一般の部 最優秀賞 原 峯子さん
小中学生の部 特選
愛生さん
TKさん

<にこにこ川柳コンテスト>

高野 敏明さん
なわとびさん

柳澤さんによって書かれた「命の輝き」

「皆様の後押しで良い字ができたのではないか」と語る柳澤さん

クライマックスでは、書家で篆刻作家の柳澤魁秀さんによる書道パフォーマンスが披露された。ステージ上で40㌔ほどもある大きな筆を縦横無尽に操り、「命の輝き」と、渾身の力で力強く字を書く様子は、迫力と感動が伝わってきた。そこには、「50年間たくさんの人たちが命を耀かせて来た。これからもこのステージで、多くの人が命を耀かせてほしい」という柳澤さんの祈りが込められている。揮毫後もしばらくの間、バケツ2杯分とされる墨汁の香りがほのかに会場内に満ちていた。

20年前、当時所属していた長岡婦人スキークラブで柳澤さんから書を教わったこともあったという古川美津さん(74歳)は、「今日は、友達から消防音楽隊のチケットをもらって、参加したが、思いがけず魁秀先生の書もみれてよかった」と感激した様子だった。他に、同じく新潟県長岡市内から参加した70代と60代の夫婦は、「最後の書のパフォーマンスが印象深かった。力強くて良かった」と満足そうに語った。

同劇場ではこの他、6月25日にヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんなどを招聘するなど、まさに50周年を寿ぐ楽しい音楽イベントが企画されている。

波多文子館長(63歳)は、「これを皮切りにして、今年度50周年の様々なイベントがありますので、是非足を運んでいただきたい」とした。

「是非足を運んでいただきたい」と波多文子館長

(文・撮影 湯本泰隆)

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓