【NIIKEIキシャメシ】4月26日 昼から本格ステーキ、懐かしの古町にて(新潟市中央区)
キシャメシ、ついに私にもお鉢が回ってきた。「食レポとか苦手なので……」と言っていたが、もう逃げられそうもない。
ところで、1年半ほど前までにいがた経済新聞社の事務所は上古町にあった。……というのは以前別の記者も書いているが、私の場合は県央の取材を担当する日が多いため、新潟駅や県庁はともかくとして、古町エリアまで来る機会はめっきり減ってしまった。今日は珍しく近辺での取材だったため、懐かしの場所で昼食を物色してみたい。
さて、キリンか、楼蘭か、あるいは東堀通りに回って青島食堂か……道すがら、美谷商店の弁当の看板が「550円」に貼り直されているのを見て原材料高を痛感する。「人数分買いに行かされたなぁ……」などと思い出に耽っていると、早くも5番町まで来てしまった。踵を返してもう一周するか、それとも西堀通りへ行ってみるか。迷って見回してみると、遠くの店が目に入った。
「ステーキハウス ドス・ビーバー」、真紅の背景に力強い店名が踊る、派手な看板である。
古町エリアらしい、いかにもな老舗。昔から気になってはいたが「昼からガッツリ」とはなかなかできず、ずっと行きそびれていた。今日は次の取材も無い。昼食に1,500円超は少し痛いが、これも巡り合わせと扉をくぐった。
喫茶のような洒落た店内に、サルサだろうか? 陽気なラテンアメリカ音楽が流れている。カウンター席に促され、ノータイムで「ステーキランチ」(1,600円)を頼んだ。待つ間、目の前で焼き上げられるハンバーグを眺めていると「こっちでも良かったなぁ……」と思ってしまったが、ステーキも負けてはいなかった。
肉自体はランチタイムに合わせてやや薄めのカット(160g)。しかし、味は本格。パッと見でも赤みが見えるレア具合は驚くほど柔らかく、その食感から現れるのは野趣溢れる肉の旨み。「お好みで」とソースや醤油が置かれているが、いらない。塩胡椒の鋭さが肉の甘みを誘い、バターがそれらを引き立てている。
ステーキもライスもすぐに食べ終えてしまった。悔やむべくは、200gを頼むべきだったというところか。……いや、やっぱりあのデカいハンバーグも食べたい。あと2回は行きたい。
頃合いを見計らって、店員のお兄さんがコーヒーを淹れてくれた。セットにはサラダと飲み物(コーラ、烏龍茶、ホットコーヒー)がつくようだ。まさか、事務所が移転してから古町の名店の味を知ることになるとは。いや、単に私が忙しさを言い訳に探索を怠っていたのかもしれない。自戒とともにコーヒを飲み干し、店を出た。
……書いていて気がついたが、キシャメシは新潟市内、特に古町が多い。「せっかく県央に居るのだから、燕三条系ラーメンで書いてよ」とか同僚に言われそう。いや、リアルな昼食日記なのだからこれでいいでしょう。
(編集部・T)
【ドス・ビーバー】
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