GWの登山客増を見据え、角田浜で新潟市西蒲消防署、秋葉消防署、西蒲警察署が合同山岳救助訓練を実施
新潟市西蒲消防署、秋葉消防署、西蒲警察署は4月26日、新潟市西蒲区角田浜地内にある角田山灯台コースにおいて、合同で山岳救助訓練を実施した。当日は、各機関から計35人の精鋭が訓練に参加した。
ゴールデンウィーク期間中には多くの登山者が角田山を登山することが予想される。例年、4月から8月にかけて、角田山での救助要請が増える傾向にあり、4月から6月にかけては角田山での山岳事故件数の半数近くが発生している。
山岳救助は、特に立体的で広範囲な救助活動になるケースが多く、各機関の連携を強めるために合同で山岳救助訓練が実施された。
要救助者の想定は、登山に出かけた20歳代の男性。登山に出かけた男性の帰宅が遅いことを心配した男性の家族が捜索を要請。その後、角田山灯台コースを登っていた別の登山者が滑落して左足を負傷した男性を発見し、消防に救助要請を行ったという想定で訓練が行われた。
訓練では、険しい斜面を合同救助隊が登山し、約600メートル先の滑落現場に向かった。現場に到着すると本番さながらの厳格なかけ声とともに救助活動が展開され、迅速に頑丈なストレッチャーに要救助者を収容した。救助活動の途中から小雨が降りだし足元が悪くなる中、各機関が細かい状況確認と安全確保を綿密に取り合い、救助者を目的地まで運んだ。約二時間、本番さながらに山岳救助訓練は実施された。
訓練の舞台となった角田山灯台コースは、急な斜面が多く、生い茂る植物などで視界が限定される。日本海を一望できる景色の良さから人気の登山コースではあるが、装備不足や体力不足で登山すると滑落する危険性が高いので、注意が必要だ。
西蒲消防署の江部崇所長は今回の訓練について、「山岳救助となると、立体的で広範囲な救助活動が求められる。関係機関が協力しないと円滑な救助が進まないと思う。関係機関の連携を強固なものにしていく必要がある。これからもまた、こういった訓練を継続していきたいと考えている」と話した。
江部署長に登山する上での注意点を聞くと、「救助を要請される人の位置情報が非常に重要になる。例えば、目立つ服装や携帯電話、あとは自分がどの登山ルートで登山をしているのかを把握すること。そういった情報が非常に重要となるので、我々はそういった情報をもとにできるだけ速やかに救助活動を行う。あとは、救助を待つ間、どうしても時間がかかる場合がある。天候の変化などを加味した防寒対策などの装備をしっかりと整えて、登山を楽しんでほしい」と呼びかけた。