【決算】東北電力、コスト高などによって経常損失は約1,992億円に、赤字は2年連続
東北電力株式会社(仙台市)は4月28日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は3兆72億400万円(前年同期比42.9%増)、営業利益は△1,800億5,400万円(前年同期は△287億3,700万円)、経常利益は△1,992億7,700万円(前年同期は△492億500万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は△1,275億6,200万円(前年同期は△1,083億6,200万円)となった。
販売電力量(小売)が、節電の影響や前年度に比べ冬場の気温が高かったことによる暖房需要の減少などから、前年度に比べ 2.1%減の659億キロワット時となった。このうち、電灯需要については、4.9%減の200億キロワット時、電力需要については、0.8%減の460億キロワット時となった。
また、東北電力の販売電力量(卸売)は、常時バックアップの契約及びベースロード市場取引量が増加したものの、東北6県及び新潟県以外への卸売が減少したことなどから、5.0%減の159 億キロワット時となった。
この結果、同社の販売電力量(全体)は、2.7%減の818億キロワット時となった。これに対応する供給については、原子力発電所の運転停止継続や福島県沖地震の影響による一部発電所の運転停止により供給力の減少があったものの、卸電力取引市場などからの電力調達などにより安定した供給力を確保したという。
売上高は、販売電力量が減少したものの、燃料費調整額が増加したことなどから、3兆72億円となり、前年度に比べ、 9,027 億円(42.9%)の増収となった。
経常損益は、燃料価格の高騰や円安の影響に加え、卸電力取引市場の価格の上昇により、電力調達コストが大幅に増加したことなどから、前年度に比べ1,500億円減少し、1,992億円の損失となった。また、親会社株主に帰属する当期純損益は、前年度に比べ191億円減少し、 1,275億円の損失となった。
一方、2024年3月期の業績予想については、2022年11月に申請した小売規制料金値上げの審査が現在も継続していることなどから、現時点においては、合理的な算定が困難な状況であるため、未定としている。