国上精機工業(株)が民事再生法の適用を申請

株式会社帝国データバンクの情報によると、国上精機工業(株)(横浜市中区、※燕市に新潟事業所あり)は16日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日監督命令を受けた。

持ち株会社の国上精機工業ホールディングス(株)、子会社で工業用プラスチック成形の(株)アイエヌテック国上(新潟県柏崎市)の2社も16日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、監督命令を受けた。負債は国上精機工業(株)が約15億円、国上精機工業ホールディングス(株)が約9億円、(株)アイエヌテック国上が約2億円で、3社合計で約26億円。

同社は、1967年(昭和42年)2月創業、69年(昭和44年)10月に法人改組したプラスチック関連部品製造業者。カーオーディオパネル、携帯電話ケースを中心に、医療機器部品等のプラスチック成形部品の製造を行っていた。ロータリーヒンジ装置では国内で数少ない関連特許を取得、同業他社製に比べて柔らかく安定的な作動感が得られるなど、独自のプラスチック成形加工技術に定評があった。自動車メーカーの新車種に搭載されるカーオーディオやカーナビゲーションでは、当社の一体型3Dエスカッションパネルが数多く採用されるなど、2020年12月期の年売上高は約21億5,000万円を計上していた。

しかし、近年は自動車業界の再編が進み、メーカーの多くが生産拠点を中国などアジア地域に移転。当社も海外進出し売上確保に努めていたが、受注は減少傾向を余儀なくされていた。この間、グループとして事業再構築を進め、生産効率の向上やコスト削減を図っていたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などもあり足下の業況が悪化したことから、今回の措置となった。

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