NIIKEI編集部発「今週の主なニュース」(5月1日から7日)
経済
5月3日
政治・行政
5月1日
社会
5月1日
5月2日
5月6日
編集部ピックアップ
5月1日
「あと15年で労働力人口は約8割に。地域外人材の副業・兼業で新潟の未来を開く」(特定非営利活動法人しごとのみらい 理事長 サイボウズ株式会社勤務 竹内義晴)
5月2日
https://www.niikei.jp/711634/
5月4日
5月5日
編集後記
「NIIKEIキシャメシ」のコーナーがスタートして既に2カ月。少なくとも週に1度は「食」に関する記事を書くようになったわけだが、「食に関しては、私たち―団塊ジュニア世代(今の50~60歳前半くらい)が最も”意識が低い”のではないか」と感じることが多くなった。
近年、加工食品のマーケティングで主軸となってきたのは「フリーフロム」のコンセプトだ。「グルテンフリー」や「シュガーフリー」のように、特定の品目、成分を含まない製品を指して「フリーフロム製品」などと使うのだが、小麦粉や砂糖にとどまらず卵、乳成分、一切の添加物など「〇〇が入っていない」「〇〇を使っていない」という製品または製品群である。フリーフロムは今や、食品だけでなく洗剤や衣料品、建材など全ての分野で反映されていると言っても良い。もともとは「アレルギー」への対応策から生まれた考えで、欧州の若い世代から需要が高まったと言われる。フリーフロムの延長線にベジタリアンやヴィーガンなど、さらに「縛り」のキツいものもある。日本の大手流通ではイオン系列がフリーフロムの分野でリードしてきた記憶がある。
今の若い世代、10~20代まではフリーフロムの考えがしっかり根付いている。特に添加物に対しては敏感で、よりナチュラル志向が高い。アレルギーまで行かなくとも自分の身体が受け付けないもの、気になる成分に対し敢えて摂取を控える人がほとんどで、自分の身体に入るもの、触れるものなどにちゃんと留意して取捨選択ができることに感心する。考えがはっきりしているし「正しい教育を受けてきたのだなあ」というリスペクトがある。
コマーシャルの世界を見ても私たちの若い頃は「〇〇に〇〇が入りました」や「〇〇配合」と言った「入っている」ことを売りにしたコピーが目立ち、今とは全く逆だった。日本が高度成長を終えて世界でも有数の豊かな国になり、「何でもあること」を謳歌していた飽食の時代には「足し算のコマーシャリズム」が有効だったのだろう。これより上の世代は、日本の伝統的な食文化に慣らされていて、逆にナチュラリズムが浸透している印象で、今日本で一番人数の多い団塊ジュニア世代が最も意識が低いと感じる。
そういうことを総合的に考えると「今の若い人は食べ物に好き嫌いが多い」とか「酒を飲まなくなった」という団塊ジュニア層の意見には耳を貸す必要がないなと考えるようになった。「いらないものはいらない」という若い世代の考え方のほうが、思考停止していない上にシンプルでかっこいいと思う。
(編集部・伊藤直樹)