【NIIKEIキシャメシ】5月8日 記者が新潟で一番好きなパスタランチをお教えしましょう

南イタリアのマンマの味、ただ日本人にもなじみ深い味「海の幸のカルボナーラ」

 

朝からロクなことがない。➀目覚めたら鼻の頭にぽつんとメンチョーができていた➁駐車場から車を出そうと思ったら工事の車にふさがれて出られなかった➂そのおかげで市長会見に遅刻した④とっても嫌いな相手から、なぜか不在着信が入っている←今ココ。

業界ではこういう日を「なんて日だ!」と呼ぶ。どうにかして流れを変えなければならない。

こういう時は、ランチで今一番食べたいものを食べるに限る。時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、記者は自分勝手になり、「自由」になる。

新潟市東区粟山の「イル・ポスティーノ」。小柄な可愛い店構え

「イタリア人の実家」と呼びたくなる、気のおけない雰囲気

新潟市東区粟山にあるイタリアンレストラン「イル・ポスティーノ」。気取らない雰囲気で超絶食感のゆでたて手打ちパスタを食べさせる、記者のとっておきの店。2002年オープンだからもう21年目。記者は15年くらい前に、ここのパスタにハマりにハマって、頻繁に足を運んでいた。小ぢんまりした店構えで、それほどかしこまった献立ではないが、正直、新潟のイタリアンで一番好きかもしれない(思い出補正もある)。今日は超ひさびさの訪店。

ランチの「生スパゲティ セット」は10種類。主菜のパスタにスープ、サラダ、コーヒーと自家製焼きプリンかブルスケッタ(イタリア式ガーリックトースト)が付く。この中から選んだのは「海の幸のカルボナーラ」(税込1500円)。これ、昔からずっとあるメニュー。嬉しくなってくる。

サラダにかかっているすりおろしリンゴのドレッシングが超絶にウマウマ。ちなみに店内で量り売りしてくれる

ブルスケッタとミネストローネ。スープは日替わりか。ブルスケッタは手作り焼きプリンに替えられる

一番最初に届いたのはサラダ。ここのすりおろしリンゴを使った自家製ドレッシングは本当に美味しい。この世のサラダというサラダのドレッシングが全てこれになれば良い、と思う。

次にブルスケッタ。たらされたオリーブオイルがとにかく美味い。ガーリックとオリーブオイルと岩塩だけというシンプルさ。パンの焼き加減が絶妙。さらにミネストローネがついて、なんならこれだけで成立するほどのクオリティ。

海の旨みがよく出た濃厚なタラコクリームソースが手打ちパスタとよく絡む

そして待ちに待った「海の幸のカルボナーラ」の到着。「海の幸」と「カルボナーラ」の組み合わせは意外に思えるかもしれないが、一目見ていただければわかる。エビやホタテが入ったタラコのクリームソースパスタという構図。一般的カルボナーラが卵黄を使ったクリームパスタなのに対し、こちらは魚卵というわけだ。ただこれがとんでもなく美味い。上から刻んだ万能ねぎをパラっと振る発想も素晴らしい。黒胡椒も良いアクセント。海のウマみがたっぷり出た濃厚クリームソースと手打ちパスタの相性が抜群。その手打ち加減も、噛むと絶妙に歯を押し返しす弾力で、もちっと受け止めた後にようやくぷつっと切れる。いろいろな店で自家製手打ちパスタを食べてきたが、ここの歯ごたえが記者的には至高だ。

何はなくともリフト写真。タラコ、ホタテ、エビで彩られたソースがにぎやかで楽しい

まさに店のふれ込み通り「南イタリアのマンマの手作り料理」といえる。新潟にも高級なイタリアンはいくらもあるが、記者はここのパスタが一番良い。リュック・ベッソンの名作映画「グランブルー」で、ジャン・レノ演じるエンゾが「マンマの山盛りパスタ以外は食べない」という掟を守っていたシーンにあるが、なんだかんだ男の子はおふくろの味に弱い。

食後にコーヒーも飲んで、気分も晴れた。仕方ないから、苦手な相手からの不在着信に返すとしようか・・・

(編集部 I)

 

<イル・ポスティーノ>
新潟市東区粟山1丁目21-20

11時30分~14時 17時~20時30分

不定休

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