【2023年フロントランナーに聴く】第5回 実は群馬出身も「新潟愛」溢れる知性派地域活性化モデルの山田彩乃さん(ShitamichiHD常務取締役)に聞く

インタビューにこたえる山田彩乃さん(ShitamichiHD常務取締役)

山田彩乃。実に知性派モデルである。理科の教員免許を持ちながら、身長176センチの高身長とエキゾチックな美貌の持ち主。新潟にこんな逸材がいるのかと思ったら、案の定というべきか、群馬県桐生市出身であった。

いわゆる「海なし県」の群馬。子供のころは、家族で海水浴をするために新潟に来るのが楽しみだったという。

モデル、司会、講演、テレビ・ラジオ、NPO法人の理事長、企業の常務取締役と多忙の毎日で、「今日は何をするのか分からない日もある」と苦笑する。定休日もあるが、「ほとんど何らかの仕事をしている」という仕事好き。

子供のころから教師になりたいと思っていたが、「社会を知りたい」と大学4年時は就活も行い、某テレビキー局アナウンサーの面接も受けたとか。新潟大学教育学部在学中に、現在常務を務める会社からスカウトされ、モデルの道へ。しかし、単なるモデルだけではなく、地域活性化の活動もできることが決め手となり、芸能プロダクションや飲食店など多角化経営の株式会社ShitamichiHD(新潟市中央区)に新卒で入社した。

子供のころは身長が高いことがコンプレックスで、ハイヒールは絶対に履かなかったというから徹底している。群馬の県立女子高を卒業後、「第一志望ではなかった」新潟大学へ。1年目の冬が何十年ぶりの大雪で環境の違いに「これは新潟にはいられない」と感じ、最初は群馬に帰りたいと思っていたという。

「大学時代は先生を目指していながらも、人前に出るのが苦手な暗い学生でした」と回想するが、それが地域活動をしているうちに変わったという。山田さんは現在、NPO法人で地域活動や社会貢献活動を行っているが、そこで「米、酒、海鮮」だけでない新潟に出会ったことが大きいという。

「新潟には環境やモノだけではなく面白い人もたくさんいる。地域活動を通した人との出会いや同じ思いを持つ仲間が出来たことで、もっと自信を持って発信したいと思い自分を変えることが出来た。偶然にたどり着いた新潟の地だったが、だんだん知っていくうちに新潟が好きになった」と山田さん。

「2015ミス・アース」の世界大会へ出場した経験を持つ

ミスコンテスト「2015ミス・アース」の日本代表になり、世界大会へ出場した経験を持つ強者。水着審査やスピーチなどのいくつもの関門をかいくぐり、日本で唯一の代表となり、単身オーストリアの世界大会へ。1か月、ホテルの4人部屋で過ごし、しかも2人でベッド1つだったという。

「英語もできないし、外へ出ればオーストリアはドイツ語。文字通り身振り手振りでした。今から考えればよく1か月いたと思う」と振り返る。

ベッドが一緒だったケニアの代表とは、今でもインスタグラムで連絡を取り合う仲。「この間、近くにいるので会えないかと言ってきて。聞くと中国だと(笑)。彼女の中では中国は近いんです。行けませんでしたが」。

子供食堂「地球の子供食堂と宿題Cafe」

一方、現在、新潟市中央区古町で「地球の子供食堂と宿題Cafe」という子供食堂を開設している。子供たちは無料でご飯を食べることができるが、他と違うのは、ほぼ毎日開いていることだ。さらに、食べた食器を自分で洗ったり料理を作ってくれた人に「いただきます」「ごちそうさま」を伝えられる仕組みを作ることで、子供たちが感謝の気持ちを持てるようにしている。

将来の夢は「無料の塾をやりたい」。家庭の事情で塾に行けない子供に手を差し伸べたいという。やはり、教育の道への想いは強い。企業から協賛や寄付を募り、子供たちは無料で受けられるようにしたいとのこと。

「地域活性化」などをテーマに全国各地で講演をしているという山田さん。そんな山田さんに通底しているのは、「新潟愛」だ。新潟県出身者はややもすると、地域の宝を当たり前と感じてしまい、気づかないことも多い。山田さんは、「外の眼」と「内の眼」の絶妙なバランスで新潟を見ている。30代前半の若い世代。山田さんはこれからも新潟の活性化に向けて走り続ける。

 

(文・撮影 梅川康輝)

 

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