アイエヌテック国上(新潟県柏崎市)が東京地裁へ民事再生法の適用を申請し監督命令を受ける
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、株式会社アイエヌテック国上(新潟県柏崎市、資本金100万円、馬場丈夫社長)は、親会社の国上精機工業株式会社(横浜市中区)を含むグループ3社として、16日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、監督命令を受けた。申請代理人は泊昌之弁護士(さくら共同法律事務所、東京都新宿区)。監督委員には鈴木雅芳弁護士(多田総合法律事務所、東京都千代田区)が選任された。負債総額は約2億円。
前身企業は、1991年11月に設立された有限会社新潟テクノとして自動車用部品を主体とするプラスチック製品部品の製造を事業としていた企業で、1998年11月に株式会社アイエヌテックに商号を変更し、自動車用部品のみならず、デジタルカメラ用部品の製造も開始して、2006年4月期には15億円の売上を計上していた。
その後、自動車用部品の海外生産へのシフトなどもあり、徐々に受注が減少し、売上は約5億円にまで縮小。この間もリストラを実施しながら対応していたものの、赤字決算から脱しきれず、債務超過の状態が続いていた。こういった中で、2019年2月に主力受注先の1社であった国上精機工業株式会社の出資の下で、新たにアイエヌテック国上を設立して事業を分割継承し、新体制で営業を継続。旧社は金融借入などの負債を残しながら株式会社事業再編KZ01号に商号を変更して、2020年6月23日に負債総額約7億8,000万円で特別清算を申請した。
その後、新体制での営業を継続していたが、新型コロナウイルス感染拡大の中で、親会社自体 の業況が悪化し、これに連鎖する形で当社の受注も減少、グループとして法的手続きによる再建に移行すべく、グループの持株会社である国上精機工業ホールディングス株式会社を含めたグループ3社により、今回の措置となった。申請時の負債はグループ計で約26億円で、国上精機工業が約15億円、国上精機工業ホールディングスが約9億円、アイエヌテック国上が約2億円。
なお、新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは17件目となる。