【動画あり】「大火での経験を経て」糸魚川市消防本部と新潟県消防防災航空隊がヘリコプターを運用した合同訓練を実施

 

新潟県糸魚川市消防本部と新潟県消防防災航空隊は5月9日、姫川河川敷消防訓練場で合同訓練を行った。訓練には、糸魚川市消防本部と新潟県消防防災航空隊の隊員など計29人が参加した。

この訓練は、大規模な林野火災に備え、新潟県消防防災航空隊と糸魚川市消防本部との連携体制を強化し、知識と技術の向上を図ることを目的に実施した。

晴天に恵まれた9日の姫川河川敷では、ヘリコプターに装備された消火バケットに糸魚川市の消防団員が給水し、近くの姫川へ散水した。給水は団員の役割を変えてのローテーション形式で実施され、掛け声や合図などで意思疎通を図りながら、迅速な給水活動を行なった。

 

訓練の様子

給水された水を運ぶ

給水された水は姫川へ

ヘリコプターの離着陸時に起こる「ダウンウォッシュ」と呼ばれる、大型台風並みの強烈な風が吹きすさぶ中、約7メートルほど浮上するヘリコプターから吊り下げられた消火バケットに注水する。強烈な風で身体のバランスをとるのも難しい中、訓練は進行した。

糸魚川市では2016年12月22日に発生した糸魚川市駅北大火や、1987年には大規模な林野火災が発生している。こうした災害現場などでは、ヘリコプターによる空中消火が期待されるが、劣悪な環境下での消火活動を余儀なくされるため、こうした訓練を通して隊員の練度の向上や連携の強化が必要だという。

訓練終了後、糸魚川市消防署の武藤悟署長は、「今日は絶好の訓練日和で非常に良い訓練ができたと思う。山火事の訓練という事だが、先日のゴールデンウィークの最中に長野県の霧ケ峰高原では大規模な山火事があったし、2021年には栃木県の足利でも大規模な山火事が起きた。いつ大規模な山火事があるかもわからないので、今日の訓練の経験を活かして、活動にあたってもらいたい」と訓練を総括した。

新潟県消防防災航空隊の飯原寛隊長は、「署長の挨拶にもあった通り、天候に恵まれ非常に良い訓練だったと思う。皆さんの動きも非常にスムーズで全然慌てることなく、終始安全に活動することができた。有事の際は、連携を宜しくお願いしたい」と語った。

訓練で運用された消防防災ヘリ 「はくちょう」

 

(文・撮影 児玉賢太)

 

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