亀田製菓株式会社(新潟市江南区)が2023年3月期決算(連結)を発表、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響を受け増収減益

亀田製菓株式会社(新潟市江南区)

亀田製菓株式会社(新潟市江南区)は5月10日、2023年3月期決算を発表した。

売上高は949億9,200万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は35億6,400万円(前年同期比26.2%減)、経常利益は52億1,500万円(前年同期比14.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は18億9,200万円(前年同期比57.2%減)だった。

営業利益については、国内米菓市場の需要が底堅く推移したことから、単体米菓事業において増産対応を継続するとともに、商品の絞り込みや外部生産委託の活用など機動的対応を図ることで生産効率の向上に取り組んだが、期初の想定を大きく上回る原材料価格やエネルギーコストの上昇影響を吸収するに至らなかった。

また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、行動制限の緩和による市場回復効果もあり増益となったが、単体米菓事業の減益を補えず、国内米菓事業全体では前期比で減益となった。

 

国内米菓事業

国内米菓事業については、操業を停止していた同業他社の販売再開によって業界における商品供給は、正常化に向かいつつある。依然として需要の引き締まりが見られるなか、亀田製菓は業界トップメーカーとして安定供給を図りつつ、商品リニューアルや新商品投入、さらにはキャンペーンの再開などによって、需要喚起に取り組んだ。

これらの取り組みの結果、主力ブランドの売上高は「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「亀田のまがりせんべい」「ぽたぽた焼」「技のこだ割り」「ソフトサラダ」「無限エビ」「海苔ピーパック」「こつぶっこ」が前期を上回った。一方、「うす焼」「手塩屋」は前期を下回った。

 

海外事業

海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.における商品ラインアップの拡充効果と、タイのSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.およびカンボジアのLYLY KAMEDA CO., LTD.のクロスボーダー取引の拡大、さらには前期に連結子会社化したベトナムのTHIEN HA KAMEDA, JSC.が通期で業績に寄与するとともに、為替の円安効果も加わり、売上高は前期を上回った。

 

食品事業

食品事業については、防災意識の高まりを背景とした長期保存食の安定需要と、特長ある新商品の販売等を通じて、個人を中心としたネット通販が底堅く推移するとともに、自治体、企業による備蓄品の買い替え需要の高まりも相まって、強い引き合いが続きました。また、アレルゲン28品目不使用の米粉パンへの関心は、輸入小麦の価格高騰を受けてより一層高まっており、生産能力の増強に取り組んだ。

さらに、植物性乳酸菌については、その機能性において他社との差別化を図ることで販路拡大に取り組むとともに、Kerry社(アイルランド)とのライセンス契約など、海外への本格展開に向けて次なる一手を講じている。これらの結果、売上高は前期を上回った。

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