【決算発表】北越工業(新潟県燕市)、建設機械事業好調で増収増益
北越工業株式会社(新潟県燕市)は5月10日、2023年3月期決算(連結)を発表した。
売上高490億円(前年同期比33.7%増)、営業利益48億4,200万円(同35.6%増)、経常利益53億8,000万円(同32.7%増)、親会社に帰属する純利益37億5,200万円(同36.5%増)で増収増益となった。
セグメント別の状況は以下のとおり。
建設機械事業
建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成している。
販売面では、国内はインバウンド向けや全国旅行支援によってホテルなどの改修・新築工事案件が戻ってきており、主要都市での再開発事業は依然として継続するなど、旺盛な建設工事需要を背景に、高所作業車の出荷が大きく伸長した。
海外においては、ロシア向けの出荷停止は継続したが、前年度から続く北米向け受注の更なる増加や、東南アジアの経済回復による需要の高まりに加え、オセアニアの資源開発向け需要の増加等によって大きく売上を伸ばした。
利益面では、鋼材を中心とした原材料価格の高騰が大きな下押し要因ではあったが、売上の増加や工場の操業度が高まったことに加え、北米向け販売における円安効果も寄与し、前年同期比で増益となった。
産業機械事業
産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスなどの事業で構成している。
販売面では、主力のモータコンプレッサは、中期経営計画「中期ビジョン2024」に掲げた目標達成に向けて、国内のシェア獲得を推し進めた結果、出荷が堅調に推移した。また、コベルコ・コンプレッサ株式会社けのOEM供給が安定軌道に乗ったことや、大型発電機の販売が好調に推移したこともあり、全体では前年同期比で増収となった。
利益面では、原材料価格の急激な高騰は大きな下押し要因ではあったが、一部の製品価格の値上げや大型発電機による利益改善が功を奏し、前年同期比で増益となった。
次期の見通し
今後の経済見通しについては、足元では国内はウィズコロナのもとで景気は緩やかに持ち直しているものの、原材料やエネルギー価格の高騰により物価が上昇しており、海外でもインフレ抑制と物価安定を企図した急速な金融引締めにより景気の減速が懸念され、これまでに増して先行きは不透明な状況だ。
このような経済環境の下、北越工業グループはこれまで培ってきたコアテクノロジーを基盤に、変化する市場にマッチした製品展開を図り、持続的な企業価値の向上を目指していくとしている。
販売面の国内では、経済の回復に沿って設備投資意欲の高まりが見込まれ、特に新規建設工事の増加が顕著になっている。海外においても北米の他、各国におけるインフラ投資効果により建設機械の需要の高まりは今後も継続するものと考えているという。
利益面では更なる原材料の高騰が予想され、前年度のような為替益による補填が難しい状況が予想されている。2024年3月期の連結業績の見通しについては、以下のとおり予想している。
次期(2024年3月期)予想は、売上高470憶円(対前期増減率4.1%減)、営業利益36億2,000万円(同25.2%減)、経常利益37億7,000万円(同29.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益25置く3,000万円(同32.6%減)。
なお、この業績予想の為替レートは、1米ドル=125円、1ユーロ=135円を前提としている。。