【決算発表】北越コーポレーション(東京都)、増収となるも原燃料価格の高騰などにより減益

北越コーポレーション新潟工場

北越コーポレーション株式会社(東京都)は5月12日、2023年3月期の決算(連結)を公表し、また中期経営計画と役員人事も発表した。

2023年3月期の売上高は3,012億400万円 (対前年同月比15.1%増)、 営業利益が172億8,800万円 (同15.5%減)、経常利益が 114億7,100万円 (同61.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は 83億2,500万円(同60.7%減)となった。

当連結会計年度の業績は、主に当年度に実施した国内販売向けの価格改定及び輸出販売向けの価格上昇の影響で増収となったものの、原燃料価格の高騰等により、営業利益は減益。さらに、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、持分法による投資損失を計上したことなどにより減益となった。

グループの当期における業績は以下のとおり。

 

紙パルプ事業

主に当年度に実施した国内販売向けの価格改定及び輸出販売向けの価格上昇の影響で増収となったが、損益面において、原燃料価格の高騰などにより減益となった。

品種別には、洋紙にいて、国内販売向けは、当年度に2回の価格改定を実施したことにより増収。また当年度下期には、主に海外旅行客をターゲットとする旅行雑誌用途等の受注が回復し、販売数量を伸ばした。輸出販売向けについても、販売価格の上昇により、前年度を上回った。

板紙は、洋紙同様に、当年度に価格改定を実施したことにより、増収。数量面では、品種によってばらつきはあるものの前年度を上回る結果。

グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、国内販売向けでは、ファストフードの持ち帰り用途向けが堅調に推移したほか、医薬品、菓子及び玩具用途向けで販売数量が前年度を上回った一方で、輸出販売向けでは、市況の軟化などにより、販売数量が減少する結果に。高級白板紙は、カードゲーム用途向けが減少し、店頭POP用途も振るわず前年度を下回った。段ボール原紙は、国内販売向けについては、当年度に価格改定を実施し、また、新潟県を中心に順調に販売数量を拡大しており、輸出販売向けについても前年度を上回る販売数量となった。

機能紙分野では、新型コロナウイルス感染症拡大により中国全土で厳格なゼロコロナ政策が実施されたことで需要が急減し、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙を中心に前年度を下回った。

特殊紙・情報用紙分野については、国内での人流回復を背景にコンビニエンスストア向けの食品包装材の拡販に注力したほか、価格改定に取り組んだことにより、前年度を上回った。

パルプについては、海外子会社において、貨車供給不足に起因した減産の影響で販売数量は前年度を下回ったものの、販売価格の上昇により、前年度を上回った。

 

パッケージング・紙加工事業

パッケージング・紙加工事業は、中国政府によるゼロコロナ政策に伴う上海市内の一部ロックダウンの影響があったものの、国内販売向けの受注増加及び価格改定の影響により、増収増益となった。

 

その他

木材事業、建設業、運送・倉庫業、古紙卸業をはじめとするその他事業については、主に木材事業において外部受注が増加したことにより、増収となったが、損益面においては、主として運送・倉庫業のコストアップにより減益となった。

 

今後の見通し

紙パルプ産業を取り巻く環境は、国内需要動向の急激な変化、グローバルな市況価格動向、原燃料価格の高騰など、先行き不透明な状況が続いている。

同社グループでは、2023年3月期に実施した各種製品の価格改定の効果が期を通じて寄与することが見こまれる。また、さらに収益体質の強化を図るべく、引続き徹底したコストダウンに取り組むことを勘案して、2024年3月期の予想は売上高3,100億円(対2023年3月期実績比2.9%増)、営業利益110億円(同36.4%減)、経常利益140億円(同22%減) 親会社株主に帰属する当期純利益90億円(同8.1%減)とした。

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