【決算発表】岩塚製菓(新潟県長岡市)、旺旺グループの配当金などで経常利益大幅増

岩塚製菓株式会社(新潟県長岡市)

岩塚製菓株式会社(新潟県長岡市)は5月12日、2023年3月期決算(連結)を発表した。

売上高203億8,600万円(前年同期比13.0%増)、営業利益△2億1,300万円(前年同期の営業利益は△3億2,600万円)、経常利益54億5,400万円(前年同期比286.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益39億7,000万円(前年同期比379.5%増)となった。

売上高については、火災事故の代替需要と原材料・エネルギー価格の高騰の影響を大きく受け、販売面は良化したものの損益的には引き続き厳しい結果となった。連結売上高は、夏場に一服感が見られたほかは総じて増収基調で推移、販売子会社における客足の戻りも感じられるなか、203億8,600万円(前年同期間比13.0%増)と増収だった。

損益面においては、営業損益は外的要因による製造コストの上昇を増収効果により補いきれず2億1,300万円の損失となり(前年同期間は営業損失3億2,600万円)、経常利益においては「WANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.」の記念配当増による受取配当金の増加などから54億5,400万円(前年同期間比286.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億7,000万円(同379.5%増)となった。

なお、経常利益に関しては、同社が株式を保有するWANT WANT CHINA HOLDINGS LIMITED.からの株式配当金51億8,100万円を営業外収益の受取配当金に計上している。

開発部門では、創業精神に拘り本格感を高めた「米技心シリーズ」、人気日本料理店主の監修を得た「賛否両論3品」、開発に1年半をかけたイタリア料理店高名シェフとのコラボ商品のほか、学校や特産品生産地とのコラボ商品など、ワンランク上の新しい岩塚価値の新商品を次々と生み出している。

製造部門では、原材料や燃料、電力費など外的要因によるコストアップが続き、工場増設に係る固定費負担が残るなか、製造原価の高止まりを余儀なくされている。このため、主力品の集中生産、在庫の活用、物流体制の整備など生産効率向上に努めるとともに、生地生産、包装工程などの機械化による省人や、揚げ釜や空調を更新し電力使用量を削減するなどの設備投資を前倒しで進めている。

営業部門では、年度前半は、代替需要に対し新商品や企画品などの年度計画を先送りして定番品主体に商品供給を最優先した。その結果、主力商品(TOP6+2)においては、年度を通して明らかな伸長が見られた。

年度後半には、控えてきた新商品を順次投入、75周年記念商品と位置づけた「米技心シリーズ」の発売、「賛否両論」の笠原店主監修商品の拡充のほか、イタリア料理店の落合シェフ監修のコラボ商品についてはお披露目会からの丁寧な販促活動を行い満を持して売場の多様化に挑戦している。

また、「お米となかよし」をキーワードに情報発信に努めブランドイメージを高めるとともに、課題であった認知度の向上に真剣に取り組む考えだという。なお、価格改定については、今後は諸般の状況を考慮しながら慎重に進めていきたいと考えているという。

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