【第3四半期決算】一正蒲鉾(新潟市東区)、原材料価格やエネルギー価格などが「想定をはるかに超えて上昇」
一正蒲鉾株式会社(新潟市東区)は5月12日、2023年6月期第3四半期決算(連結)を発表した。
売上高は257億4,700万円(前年同期比2.8%増)、営業利益は8,900万円(同89.4%減)、経常利益は1億2,500万円(同85.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億7,400万円(同73.9%減)となった。
一正蒲鉾によると、ウクライナ侵攻の長期化や円安、鳥インフルエンザの蔓延などにより、すり身をはじめとした原材料価格や電気ガスなどエネルギー価格など多くのコストが同社の想定をはるかに超えて上昇しているという。また、同社を含めた多くの企業がコスト上昇分を補填するために価格改定を実施し、様々な物品の価格が上昇していることから、消費者の節約志向は強まっており、同社グループを取り巻く経営環境はかつてない厳しさとなってる。
セグメント別の事業概況は以下の通り。
水産練製品・惣菜事業
売上は、価格改定を行い販売数量は前年同四半期を下回ったものの、価格改定による売価上昇の効果もあり前年同四半期を上回った。年末のおせち商品は、主原料・副材料のすべてが国産の「純」シリーズの伊達巻や蒲鉾の売上が伸長した。
利益は、主原料であるすり身をはじめとした原材料価格が高止まりしていることや、鳥インフルエンザの影響による卵価の高騰、ウクライナ情勢や急激な円安などによる影響でエネルギーコストや油脂類、包装資材といった様々なコストも上昇していることから、前年同四半期を下回る結果となった。
以上の結果、水産練製品・惣菜事業の売上高は222億3,400万円で前年同四半期比7億8,700万円の増加(3.7%増)、セグメント損失(営業損失)は1億7,000万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)2億7,800万円)となった。
きのこ事業
野菜市況は前年を上回り、きのこ市況に関しても前年を上回る推移だったが、舞茸は他社増産の影響による供給過多状態もあり軟調な推移となった。生産は、安定栽培や生産の効率化、品質管理体制の強化に努め、販売については、大容量商品や新発売の「希なり」の提案、外食・業務用筋への提案拡大により、消費喚起・販売強化に努めたという。
以上の結果、きのこ事業の売上高は31億8,100万円で前年同四半期比5,600万円の減少(1.8%減)、セグメント利益(営業利益)は1億9,600万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)5億2,900万円)となった。
運送事業・倉庫事業
運送事業は、主に気象影響による輸入青果物の取扱数量の減少と定期輸送便の一部終了により、売上は前年同四半期を下回った。また、コスト削減へ向けた取組みによる固定費の縮減を行ってきたが、売上の減少影響により、利益は前年同四半期を下回る結果となった。
倉庫事業は、荷主が価格高騰の影響を抑えるために原材料等を前倒しで購入、寄託したことから、前期を上回る高い在庫水準で推移したものの、荷動きが停滞したことにより入出庫料が減少したため、売上は前年同四半期を下回った。一方、収益性改善に向けた庫内管理の最適化を着実に推し進めた結果、利益では前年同四半期を上回った。
以上の結果、報告セグメントに含まれないその他の売上高は3億3,100万円で前年同四半期比3,700万円の減少(10.3%減)、セグメント利益(営業利益)は6,000万円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)2,400万円)となった。