【本決算】日本精機(新潟県長岡市)赤字から黒字へ転換、車載部品事業がけん引
日本精機株式会社(新潟県長岡市)は5月15日、2023年3月期連結決算を発表した。
売上高2,757億7,600万円(前年同期比23.3%増)、営業利益28億4,000万円(前年同期は△42億7,600万円)、税引前利益20億8,900万円(前年同期は△45億4,300万円)、当期利益20億8,900万円(前年同期は△45億4,300万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益13億8,000万円(前年同期は△45億4,300万円)、当期包括利益合計額は、164億8,100万円(前年同期は110億6,900万円)だった。
セグメント別の業績は以下のとおり。
車載部品事業
車載部品事業は、四輪車用計器、二輪車用計器などが増加し、売上収益2,164億8,300万円(前期比26.7%増)、営業利益11億7,900百万円(前年同期は58億5,700万円の営業損失)となった。
民生部品事業
民生部品事業は、空調・住設機器コントローラーなどが増加し、売上収益194億1,900万円(前年同期比56.0%増)、営業利益13億4,900万円(同876.7%増)となった。
樹脂コンパウンド事業
樹脂コンパウンド事業は、樹脂材料の販売が増加し、売上収益87奥2,700万円(同1.2%増)となったが、営業利益1億5,800万円(同62.3%減)となった。
ディスプレイ事業
ディスプレイ事業は、LCD製品が減少し、売上収益6億7,800万円(同58.0%減)、営業損失12億9,600万円(前期は9,500万円の営業損失)となった。
自動車販売事業
自動車販売事業は、新車販売などが増加し、売上収益234億200万円(同4.3%増)、営業利益10億9,000万円(同13.9%増)となった。
その他
その他は、情報システムサービスなどが減少し、売上収益70億6,400万円(同8.1%減)となったが、営業利益5億8,800万円(同13.1%増)となった。
今後の見通し
近年の自動車業界では、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる次世代自動車開発の加速と、世界的に進む環境規制の強化に伴い、電装部品の統合制御化など、製品・技術開発の複雑化、高度化が進んでいる。
また、半導体部品の供給ひっ迫、物流費や部品材料等の調達費用の高騰、ウクライナ情勢がもたらすエネルギー価格の上昇など、日本精機を取り巻く経営環境はますます厳しくなっていくものと予想される。
日本精機はこれらに対処すべく、同社グループの強みである多様な技術の組み合わせ、光学設計技術、高精度な部品製造技術、グローバルでの製品供給力などを活かし、アルプスアルパイン株式会社と共同で取り組む統合コックピットの開発など、車載分野の次世代技術獲得をはじめとした、新たな価値の創造に取り組んでいくとしている。
2024年3月期の連結業績の見通しは、売上収益2,810億円、営業利益35億円、親会社の所有者に帰属する当期利益18億円としている。