「乳がん手術後でも気兼ねなく温泉を」 ホテルサンローラで貸し切りイベント開催 (新潟県長岡市)

広々とした温泉で、ゆったりとした時間が過ごせる(新潟県長岡市提供)

手術後の傷痕や、治療による脱毛など、乳がん経験者にとって、「温泉」はどうしてもハードルが高くなってしまうイベントのひとつである。近年では、乳がん治療中・治療後の女性でも、気楽に貸切温泉を楽しむこと環境作りに取り組む自治体や民間事業者が全国的に増えてきている。

新潟県長岡市でも、女性の価値観などを市政に反映させるために意見を募った際、「乳がんの手術のあとを隠して温泉に入っている」という声が多く寄せられているという。

新潟県長岡市川口にあるえちご川口温泉リゾートホテルサンローラでは6月15日と16日の2日間にわたって、手術痕のある女性のための貸し切り温泉イベントが行われる。これは、乳がんなどの手術をした人に手術のあとを気にせず温泉を楽しんでもらおうと長岡市が企画するもので、がん患者やその家族に対し、心のケアや精神的負担を軽減するための取り組みを行っているNPO法人ピアの森・狐遊庭(こゆうてい・松原エマ代表)の協力で実現したものである。

長岡市が2022年度に実施した「女性のアイデアコンテスト」に寄せられたアイデアの一つを実現する形で行われる。

昼間は、チャーム作り、ワンコインワークショップ、マルシェなどを開催し、夜は、新潟市民病院乳腺外科の利川千絵医師を招聘し、座談会形式で話を聞く。
単に温泉を楽しむだけでなく、同じような悩みを抱える人たちと交流を深めることもイベントのねらいである。参加者の定員は30人で、宿泊と日帰りのコースが用意されており、家族や友人なども同行できる。

長岡市地方創生推進部人権・男女共同参画課の松木祐子課長は、「参加者同士の方が集まって交流できるので、同じ悩みを持つ方同士で、気持ちを共有する機会にしていただけるのでは。是非ゆったりした気持ちで、過ごしていただければ」と語った。申し込みは、えちご川口温泉リゾート(0258-89-3000)。申し込み期限は、6月8日まで。

(新潟県長岡市提供)

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