「縁があったのだと思う」路線橋の欄干から落ちそうになっていた高齢者を救助、救助した男性に秋葉警察署が感謝状を贈呈

左 秋葉署の寒河江隆昭署長 右 感謝状が贈られた秋葉区在住の鈴木信夫さん

秋葉警察署は5月23日、秋葉区在住の鈴木信夫さんに対し、的確な判断で人命を救助したとして感謝状を贈呈した。

表彰を受けた鈴木さんは、4月25日の午前中、日課の散策を行っていたところ、新潟市秋葉区下興野地内の路線橋において路線橋の欄干の外側に居た高齢者を発見。直ちに同人のベルトを掴んで欄干内側に引き戻し、人命救助を行った。

感謝状贈呈の様子

救出時の様子を語る鈴木さん

鈴木さんは、8時ごろに羽越線を通る貨物列車が通過するのを眺めるために路線橋を散策していた。すると、路線橋の中央付近にある階段に靴と杖が揃えて置いてあるのを発見した。そのまま、左に視線を移すと橋の欄干部分に高齢者がしがみついているのを確認した。

その後、すぐに鈴木さんは「これは保護しなければいけない」と思い立ち、急いで高齢者の腰部分のベルトを掴み、欄干の内側に引き戻して保護した。

救助した高齢者を階段部分に座らせ、警察が到着するまでの間、鈴木さんが高齢者から話を聞くと高齢者は「下を見ていた」と答えた。その話を鈴木さんは受け、高齢者が言うように橋の下を見ていられるような状態ではない事を察知した鈴木さんは、それ以上高齢者から深い事情を聴くことをやめたという。

以前は秋葉消防署の消防署長を務めていた時期があるという鈴木さんは、「人命に携わる仕事をしていたので、ちょうど私と(救助された高齢者は)縁があったのだと思う。(高齢者の)娘さんからも電話があり、大事にしてやってくださいと返答をした」と話した。

感謝状を贈呈した秋葉署の寒河江隆昭署長は鈴木さんに対し、「(救助された高齢者を)助けて頂いて、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べていた。

救出現場となった橋の欄干から地面までは約9.5メートル。下には樹木が生い茂っているものの、もし落下していたら大怪我をしていたか、打ち所が悪かった場合は命を落としている可能性もある。

鈴木さんの人命救助に携わる職に従事していた経験と判断力、そして命を尊ぶ姿勢が1人の高齢者の命を救った。

路線橋の様子

救出現場となった階段

橋の欄干と会談の手すりの間で救出が行われた

地上から橋の欄干部分までは約9.5メートル 落下をすれば無事では済まないだろう

 

(文・撮影 児玉賢太)

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