織物・ニット染色のいずみ染工(新潟県長岡市)が破産手続開始決定
株式会社東京商工リサーチ新潟支店によると、織物・ニット染色のいずみ染工株式会社(新潟県長岡市、設立1999年6月3日、資本金4000万円、鹿田純雄社長、従業員50人)は5月22日に新潟地裁長岡支部 に破産手続を申し立て、同日開始決定を受けた。申請代理人は太田竜弁護士、内山晶弁護士(とやの総合法律事務所、新潟市中央区)、破産管財人には黒田隆史弁護士(黒田特許法律事務所、新潟県長岡市)が選任された。 負債総額は約4億4,000万円。
紺藤整染株式会社が合理化を目的として、同社泉工場を分離独立させ、1999年6月に設立された。安価な海外製品の台頭で業績が振るわず、2002年8月30日、グループ中核の紺藤整染、いずみ染工、秋葉テキスタイル加工株式会社の3社が新潟地裁長岡支部に民事再生手続開始を申し立て、2006年11月29日再生手続が終結した。
糸染加工(先染め)を主力として年間1,300tの加工能力を誇り、メンズシャツの糸染加工では国内でも有数のシェアを獲得、2007年5月期には売上高6億2000万円、当期純利益2 400万円を上げ、2010年2月より化粧品材料製造にも進出した。
しかし、繊維業界の構造不況により受注減が続き、2017年5月期以降の売上高は3億円台にとどまり、 2017年5月期以降は連続赤字を計上。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響と過去の損失処理で、2020年5月期は売上高3億700万円、当期純損失5500万円に悪化、2022年5月期の売上高は3億6999万円に回復したものの、赤字体質から脱却できない状況が続いていた。
また、近時はガス代を中心とした光熱費高騰が収益を圧迫 していたもので、資金繰りが限界に達し今回の事態となった。これで、新潟県内における新型コロナウイルス関連破たんは90件目となる。
なお、紺藤整染は2003年4月に、秋葉テキスタイル加工は2008年9月にそれぞれ破産開始決定を受けている。