東新潟火力発電所(新潟県聖籠町)のリプレース検討開始、カーボンニュートラル燃料への切り替えも視野に
東北電力株式会社(仙台市)は5月25日、東新潟火力発電所(新潟県聖籠町)の1号機と2号機について、CO2排出量が少ない高効率発電設備への更新(リプレース)を検討することを発表した。
リプレースの検討を行う1号機と2号機は、同発電所内に複数ある設備の中で、もっとも長く使用されている2基。1号機は1977年4月から、2号機は1983年6月から運用開始しており、発電方式はいずれも従来型火力の汽力発電方式。2基合計の出力は約120万キロワットで、燃料にLNGを使用している。
リプレースの検討においては、最新鋭の高効率コンバインドサイクル方式の発電設備を計画する。2基合計の出力は130万キロワット級。使用燃料は現設備と同様のLNGだが、将来的にカーボンニュートラル燃料の水素やアンモニアを活用することも視野にいれている。
リプレースの検討開始にあたっては、今後「事業性評価」を実施するとしており、その一環として「環境影響評価」を開始するほか、採算性も含めた評価を進めていくとしている。なお、環境影響評価は4年近くかかると見込まれており、実施の意思決定が行われたと仮定した場合、運転開始時期は2030年度以降となるという。
一方、脱炭素社会の実現においては、火力発電自体の削減が国際的に議論されている。そのような社会背景のなか、火力発電のリプレースを検討することについては、東北電力発電カンパニー火力部の藤田裕之部長が見解を述べた。
藤田部長は、「この発電所は、まずLNG(による発電)の改良だが、その後に水素やアンモニアといったカーボンニュートラル燃料に切り替えが対応できるよう改造をする。将来的には、こういったプラントもカーボンニュートラルになっていくだろうと考えている。また、太陽光などの自然エネルギーは電圧や電力コントロールについて調整力が不足してくるなかで、火力が活躍するところがあると思う。トータルに考え、このような形での将来に向けての検討を進めていきたい」と話した。