【妻有新聞】ドローン活用でアユ稚魚放流 中魚沼漁協が県内初 軽労化、広範囲で放流可能
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アユ稚魚を農薬散布用ドローンで運ぶ取り組みを中魚沼漁協が実施(5月24日、清津川で)
稚魚放流、ドローンで—。中魚沼漁業協同組合(村山徹組合長)が軽労化や安全確保をねらいに、アユ漁解禁日(7月第3土曜日)前に行っている稚魚放流を、今年からすべてドローンで実施する取り組みをスタート。5月24日に清津川や中津川、釜川など21か所で行い、稚魚14万匹を放流。
農薬散布ができる大型ドローンの16リットル容器に3センチメートル余のアユ稚魚を入れ、次々に空輸し、河川で待つ受け子の元に運んだ。村山組合長は「稚魚放流にドローンを使う取り組みは県内26漁協で初めてではないか」と先駆的事例として注目を集めている。
これまでアユ稚魚放流は、組合理事などが連携しバケツリレーで河川まで運んでいた。だが高齢化が進み、さらに4年前の令和元年台風被害で河川環境が変わり河床に入るのが難しくなる状況を受け、昨年に同組合員でもある村山興業・村山広幸社長の協力を得て試験的にドローン放流を実践。作業効率化などでメリットが多く、今年から全稚魚放流をドローンで行うことを決めた。
村山組合長は「バケツリレーだと運ぶ時にどうしても稚魚が傷ついてしまうが、ドローンは稚魚が容器とこすれる時間が少なく、元気なまま放流できるのもメリット。人数もこれまで10人余で行っていたのが4人程で作業ができる。今後もドローン放流を続ける」。稚魚放流場所もドローン活用により以前より分散できるようになり、アユ生育状況に影響があるかも調査していく方針だ。
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ドローンに積む容器にアユ稚魚を入れる
【妻有新聞 2023年5月27日号】