「行政デジタル化推進セミナー2023」開催、新潟県三条市CMO澤正史氏がDXの成功事例を紹介
株式会社BSNアイネット(新潟市中央区)などが主催するイベント「行政デジタル化推進セミナー2023」が5月31日、NINNO3(ニーノスリー、新潟市中央区)を会場に開催された。
このセミナーは2009年に「地方公共団体地域情報化推進フェア」という名前で第1回がスタートし、今回の開催が15回目となった。自治体DXの推進などを目的に開催しており、講演を通したDX推進の情報提供や共有を行っている。
BSNアイネットの南雲俊介代表取締役社長は挨拶で、「これからの自治体DX推進に向けて、弊社としても各自治体やパートナーとの共創、クリエイションにより実現のお手伝いをさせていただきたい」と話した。
基調講演では、総務省デジタル基盤推進室の丸尾豊課長補佐が登壇し、国が進めている自治体DXへの考えや、デジタル田園都市国家構想に向けての方針や取り組み状況などを説明した。また、マイナンバーカードが申請ベースで9,700万枚に上っていることに触れ、マイナンバーカードの利活用拡大の考えを示した。
基調講演に続いては、新潟県三条市CMO総務部の澤正史部主管が登壇。三条市のふるさと納税推進を担当した澤氏は、三条市役所内で行ったDXの実例などを紹介。2021年10月に外資系企業(前職Netflix社)から転職して三条市CMOに就任した澤氏は、就任から1年半で就任前(令和2年度)の約7倍となる納税額50億円を突破する実績を上げた。
澤氏はふるさと納税推進チームでDX化を行ったことについて、受発注や配送などのフローの最適化、データの活用、働き方の改善といった事例を紹介した。また、タスク管理や会議の議題をクラウド上で共有することによって効率化したことなどの成功事例も披露した。
三条市のDX化について、澤氏は「(DX化が実現することで)職員の仕事は意見を聞くことや政策を立案するなどに時間を割くことができるようになり、大きく変えることができる。三条市役所を変えることは、他の自治体に横展開できることに繋がる」と話し、DXの広がりに期待した。
「行政デジタル化推進セミナー2023」には、県内の自治体職員やBSNアイネットのパートナー会社など、リアル会場とオンライン会場(V-expo)を合わせて約150人が参加した。