新潟県阿賀町の職員が約9年間に渡り水道事業会計の公金約6,600万円を着服、職員はすでに全額を返済、使途は生活費

謝罪する町長ら

新潟県阿賀町は6月3日、同町の職員が水道事業会計の公金約6,600万円を着服していたことが判明したと発表した。この職員の氏名、年齢、性別などは小さな組織で本人が特定されやすいため、弁護士とも協議して公表しないことにしたという。着服金額などは、まだ確定しておらず、阿賀町としての処分はこの場で発表はなかった。

阿賀町の神田一秋町長は「今回の件について、極めて重く受け止めている」と語った。この職員は水道事業に関する出納を担当しており、支出の決済に関するチェックができていなかったという。

今回の事案は、今年5月29日14時にこの職員本人からの申し出により明らかになったもの。6月2日までの財務諸表預金通帳などの突き合わせの結果、概ね申し出のあった金額に近い金額の使途不明金が判明したという。また、6月2日、津川警察署にも刑事告訴等の相談を行っているという。

なお、5月31日、この職員から6,600万円の返済の申し出があり、6月1日に阿賀町に入金があった。ただし、現時点で被害額が特定できていないことから、今後精査し、被害額と今回入金のあった額との差額があれば改めて追求していく方針だ。

この事案の概要については、着服は平成27年4月ころから令和5年3月まで行っており、水道事業会計の支払い処理の一部は小切手の振出しにより行っており、定期的に金融機関に出向く中で、その一部現金を着服していたという。総額は約6,600万円で、使途は「生活費」と話しているという。

6月2日までの阿賀町の対応は、5月29日16時には副町長をトップとする庁内調査チームを立ち上げ、被害額の特定を最優先として確認作業を行うとともに、弁謹士に相談しながら、警察と刑事告訴などの相談を行ってきた。

具体的には、金の流れを確認するため、通帳と収支関係書類の整理と突合や職員本人への聞き取りで、その結果、現時点では、着服したと申し出があった金額に近い金額の使途不明金があることを確認しているが、公金の着服方法や最終的な着服された額の特定には至っておらず、引き続き、確認作業を継続している状態だという。

今後の対応については、同事案に対する事実関係の確認と被害額の特定、警察機関への刑事告訴の検討、再発防止策の策定、この職員および管理監督職の懲戒処分などを予定している。

会見する阿賀町の神田一秋町長(中央)

阿賀町役場

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