三条凧合戦、28組が激突! 福島の復興への願い込めた凧も青空に(新潟県三条市)
三条防災ステーション(新潟県三条市)で6月3日と4日、伝統の三条凧(いか)合戦が開催され、28組の凧組の戦いを見に多くの見物客が訪れた。
三条凧合戦は300年以上の歴史を持ち、六角形の凧を使うことや、凧を「いか」と称することが特徴。凧組は赤組白組に分かれ互いに凧をあげ、相手の凧を落としたり糸を切ると得点となる。2日間に渡り勝負を行い、最も得点を稼いだ組が優勝だ。近年はCOVID‑19の影響で中止を余儀なくされていたが、昨2022年に復活。凧組は昨年今年とそれぞれ5組増え一層賑わいを増した。
開催日の3日4日は、前日までの大雨から一転して凧あげ日和の晴れ。4日は三条市の滝沢亮市長の激励で幕を開け、28組が鎬を削った。また、午前中は地元団体と子供たちが和太鼓や凧囃子を披露。さらに、三条を舞台にしたテレビアニメ「Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-」の声優が登場するなどして会場を盛り上げた。
4日11時ごろからは、東日本大震災の際に津波と原発事故で被害受けた、福島県双葉町とコラボレーションした凧が一斉にあがり、青空を彩った。双葉町では、福島県内の子供たちが夢やイラストを描いた凧をあげており、三条市は制作などの面でこれまで協力してきた。
双葉町の伊澤史朗町長は「昨年8月にようやく町の一部の避難指示が解除され、約70人が戻ってきた。人口約7,000人だった町に戻るには、まだまだ時間がかかる。しかし我々は、新潟の人と同じく、粘り強く復興していきたい」と話す。そして「どこの避難先でも『大変だったね』と言われ、その言葉で復興への気持ちを保つことができた。8月には双葉町でイベントを開催したいと考えているので、ぜひ来て復興状況を見てほしい」願いを込めつつ呼びかけた。
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三条凧合戦 webサイト
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