「電子マネーがないとパソコンを使えない」特殊詐欺を未然に防いだコンビニ店員を表彰、電子マネー20万円分の購入を阻止
秋葉警察署は6月6日、特殊詐欺被害を防止に貢献したコンビニエンスストアと同店の店員に対し、署長感謝状を贈呈した。
感謝状を贈呈されたのは、「ファミリーマート新津山谷南店」の眞柄忍店長と店員の猪爪由衣さん。秋葉警察署の感謝状を贈呈された猪爪さんは、5月6日昼ごろ、来店した60歳代の男性が電子マネーカード20万円分の購入を申し出たので購入理由を尋ねた。「電子マネーカードがないとパソコンを使えない」と答えたので、猪爪さんは特殊詐欺を疑った。
その後、猪爪さんは電子マネーカードの販売を中止した上で、男性に「間違いでもいいので、警察の方に連絡させてもらってもいいですか」と問うと、男性が了承したので110番通報し、架空料金請求詐欺被害を防止した。
店舗を代表して感謝状を手渡された眞柄店長によると、ファミリーマート新津山谷南店では5万円分以上の電子マネーカードを利用客が購入しようとした際は購入理由を尋ねるように従業員に指導しており、今回の特殊詐欺の未然防止はそうした指導の賜物であるといえる。
秋葉署の寒河江隆昭署長は「お仕事中に助かりました」と感謝の言葉を述べ、「勇気をもって声をかけてくれたことに本当に感謝する。今後また同じようなケースを見かけたら声をかけて頂ければ、非常にありがたい」と2人に対し賛辞の言葉を贈った。
猪爪さんは当時の様子を振り返り、「お客様の後ろで作業をしていて、レジの方から20万円分という声が聞こえてきたので、会計が終わる前に声をかけさせてもらった」と話し、「その時は確信がなかったが、お話を聞かせてもらうと男性が『PCが映らなくなってしまった』と仰られるので、『間違いでもいいので、警察の方に連絡させてもらってもいいですか』と答えてくれたので通報させて頂いた」と様子を語った。
ファミリーマート新津山谷南店の眞柄店長は、「店舗内で特殊詐欺に対する高い意識を持ってやってきた結果が(今回の表彰に)繋がったのだと思う。これを継続していきたい」と話した。
猪爪さんは、「今回こういうことがあったので、なおさら積極的に声をかけていきたいと思う」と今後の心構えを語った。
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