詐欺被害を未然に防いだ金融機関を新潟西警察署が表彰、桑山署長「最後の最後にぎりぎりで県民の財産が守られた」
新潟西警察署は6月8日、特殊詐欺を未然に防止した金融機関と同職員に対し、署長感謝状を贈呈した。
表彰を受けたのは、大光銀行小針支店を代表して表彰式に参加した柏櫓学支店長と特殊詐欺被害を未然に防止した同行の佐藤瑞穂副長、第四北越銀行西内野支店を代表して表彰式に参加した本間剛支店長と特殊詐欺被害を未然に防止した同行の丸山千賀子さんの計4人。
表彰を受けた大光銀行小針支店の佐藤副長は、5月22日に還付金詐欺を未然に防いだ。来店した新潟市在住で60歳代の女性客から「市役所から介護保険の還付があると言われた。締め切りは今日までで、病院か近くの銀行のATMへ行ってくださいと言われた」と言われたので、特殊詐欺と疑い、警察に通報したという。
佐藤副長は当時を振り返り、「お客様から少し怪しいかもしれないという話があった。(60歳代の女性は)近くに犯人らしき人がいるのではないかという恐怖心があったのではないかと思う」と振り返り、その後、佐藤副長は「お客様の資産を守るのが大前提。(そういう言葉が)頭の中に浮かび、怖いとか何を言われてもいいからという気持ちでお声がけさせて頂きました」と当時の心境を振り返った。
第四北越銀行西内野支店の丸山さんは、特殊詐欺被害を未然に防止した。5月24日、店舗の利用客から「女性が携帯電話で話しながらATMを操作している。詐欺ではないかと伝えたが、手続きを続けているので行員に対応してほしい」と第四北越銀行本部のコールセンターに連絡があった。
その後、表彰を受けた第四北越銀行西内野支店の丸山さんは本部の連絡を受け、ATMコーナーに行くと、女性が電話をしながらATMを操作していたことから、特殊詐欺を疑い、女性に声を掛けて手続きを中止させるとともに、女性の代わりに電話対応し、還付金詐欺の被害を未然に防いだ。
丸山さんは当時を振り返り、「大丈夫よ、大丈夫よとお客様はおっしゃっていられたので、『どこからのお振込みなんですか。それだけ教えてください』とお声がけさせてもらった。そうしたら、市役所からだとおっしゃったので、『やめた方がいいとおもいます』と助言させてもらった」と話し、その後、女性の代わりに電話対応すると「(電話口の男性は)怒ってました。あんた誰だって言って」と語った。
丸山さんは今回の表彰を受け、「多分、銀行の皆さんは同じことをしたと思う。たまたま私がATMに出ただけで、同じ支店の同僚や他の支店の人も同じことをしたと思う」と語った。
新潟西警察署の桑山朗署長は、「最後の最後にぎりぎりで県民の財産が守られた。本当にありがとうございます」と表彰を受けた人たちに感謝を述べた。
続けて、特殊詐欺被害について、「当署管内では、このところ還付金の戻りがあるというような言い方で、地元の人たちを近くのATMまで誘い出し、お金をだまし取るという手口が増加傾向にある」と話し、続けて「最初の電話で行政機関を名乗り、手続き前の還付金があるのだが手続きをされていないようなので、お金が戻ってくるという誘い出しをしてくるので、ちょっと手続きをしなくてはいけないかなと思わせるところが非常に怖い。特殊詐欺の多くのケースで高齢の人が被害に遭われるケースが多いので、絶対にだまされないように注意してほしい。何か変な電話やメールがあったら、すぐに家族か警察に遠慮なく相談してほしい」と注意を呼びかけた。
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