【新潟県燕市】ウクライナからの避難民が鈴木市長を訪問、マロヴィクさん「日本にいるウクライナ人とロシア人で話し合いを」【動画あり】
ウクライナから避難し、6月2日から新潟県燕市で生活を始めたヴァディム・マロヴィクさんが8日、同市の鈴木力市長と面会した。
マロヴィクさんはウクライナのドニプロペトロウシク州から移住。戦争の始まった当初は「すぐに終わると期待していて様子を見ていた」が戦いが長期化し「(現地では)平和のため役に立てない、何か違うやり方を探すため」に故郷を離れることを決心。以前よりオンラインで交流のあった、燕市内在住でロシア国籍の柄沢マリアさんとの縁を頼って日本へやってきた。なお、柄沢さんはマロヴィクさんの身元保証人も務める。
マロヴィクさんは8日、柄沢さんともに燕市役所を訪問。鈴木市長から同市の印象を尋ねられ「燕市の人に温かく迎えてもらえて、心も温まった。(日本に来てみて)ケンカや言い合いが無い印象を受けた。ウクライナは今、戦争で国民にストレスがかかってコミュニケーションにも(悪い)影響がある。戦争が終わることを何より望んでいる」(マロヴィクさん)と話した。
また、鈴木市長は金属加工が盛んな市内の産業についても紹介。マロヴィクさんは「あらかじめ調べてはいたが、実際に来てみると周りは本当に工場ばかりで面白い土地。私が生まれた町にも大きい工場があるが、ものづくりと言うより(材料になる)金属を作るほうだった。素晴らしい品々を作っているので、戦争が終わったらウクライナでも燕の商品が買えるようになれば」と語る。マロヴィクさんは現在日本語の勉強を進めており、今後市内での就職を目指すという。
面会後の囲み取材でマロヴィクさんは「従軍経験もあるが、武器を持って平和のためにできることは無いと分かった。やられたらやり返すというやり方は解決にならない。両者が国境を棄て話し合いをすることが出口」だと話す。そして「私と柄沢マリアさんのように、日本にいるウクライナ人とロシア人に国籍の壁は無い。(両者が日本で)話し合うことができるのが平和への最初のステージになり、それが広がっていくと思う」と祈りを込めた。
燕市では5日から義援金の募集も受け付けも開始。市役所地域振興課窓口や口座振込のほか、市役所1階や燕/分水サービスコーナー、燕商工会議所、燕市民交流センターでは募金箱を設置している。