「新潟の誇る火炎型土器の職人の技を次代に繋いでいきたい」 縄文ギャラリー「JOMON」(新潟市)店長・小池孝男さん

縄文ギャラリー「JOMON」

信濃川火焔街道連携協議会のサイトによると、日本一の大河・信濃川の流域という雪国・越後から5,000年前に誕生した「火焔型土器」には、大仰な4つの突起があり、縄文土器を代表するもので、火焔型土器の芸術性を発見した岡本太郎は、この土器を見て「なんだ、コレは!」と叫んだという。平成28年には、新潟市・三条市・長岡市・十日町市・津南町で申請したストーリー『「なんだ、コレは!」信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化』が日本遺産に認定された。

その火焔土器は県内各地の博物館などで見ることができるが、実は、震災などで壊れることを防ぐ狙いから、展示されている土器の多くがレプリカだという。そのレプリカの製作を担ってきたのが土器職人たちだ。

土器職人たちは、まるで本物の火焔土器を作るかのごとく丹精こめて、粘土から本物そっくりの土器を作り上げてきた。1ヶ月で作ることのできる土器の数はわずか数個程度。そこまで時間と労力を費やしても、稼げる収入は数万円程度とあって、土器職人のなり手は少ないのが現状だという。

そこに3Dプリンターが登場し、土器職人を取り巻く環境はさらに悪化した。火焔型縄文土器や土偶のリアルレプリカ(等身大)やミニチュア縄文グッズを展示・販売する縄文ギャラリー「JOMON」(新潟市江南区)を運営するの小池孝男店長(小池ろうそく店代表)は、「今や土器職人の数は数えるほどしかいなくなりました」と語る。さらに続け、「3Dプリンターで作った樹脂の土器と、職人が丹精を込めて作った土器では、重量と質感がまるで違います。なんとか土器職人の後継者を育て、技術を次代につないでいきたい」と述べていた。

縄文ギャラリー「JOMON」(新潟市江南区)を運営するの小池孝男店長(小池ろうそく店代表)

 

20個の火焔土器を救え!

小池氏が土器に興味を持ち始めたのは、子どもの頃という。「子どもの頃、超能力や宇宙人などが流行っていて、興味を持ち、小学3年生の時に、(宇宙人にも見える)土偶を作った」のが始まりだ。以来、関心を抱き、10年以上前には、土器(レプリカ)を「ろうそく立て」として提案し始めた。さらに、2019年には、前述のギャラリーを完成させ、土器(レプリカ)の販売を始めた。

そして今、先述の通り後継者不足が深刻化している土器職人の担い手を確保しようというプロジェクトをクラウドファンディンサイト「CAMPFIRE」に立ち上げている。

集めた支援金は、土器に関心を持ってもらうきっかけとなるイベントの開催費などに充てるという。具体的なイベントの詳細は今後詰めることになるが、縄文そばの開発を進めている仲間たちとともに、土器に和ろうそくの光を灯した幻想的な空間の中での食事会を海の家で行うことや、職人を招いての講演会を計画しているそうだ。

一方、返礼品については、小池さんはこう話す。

「『2020年東京オリンピックは縄文土器を聖火台に』という声が上がり、その実現に向けて、縄文土器を世界に向けて発信しようと、80歳を超える土器職人の方が奮起し、縄文土器を20個ほど製作しました。ところが、この話はたち消えとなり、土器職人が丹精込めて製作した20個の土器は行き場を失うことになりました。返戻品には、この土器のほか、ミニチュア土器セットなどがあります」

返礼品。土器のミニチュア博物館を自宅の室内などに作ることができる

なお、土器は新潟県のふるさと納税の返礼品になっているが、行政が本格的に土器職人の後継者育成を展開するまでには至っていないという。また新潟県には伝統的工芸品が13産地(16品目)あり、国の補助金を活用し後継者育成に取り組んでいる伝統的工芸品もある。ただ、組合がないと補助制度を活用できず、そもそもの土器職人の数が少なく組合を設立できる状況ではないことから活用は難しいという。

そうした中での土器職人の技を次代につなげていこうという民間からの取り組みに、どこまで支援の輪が広がっていくのか注目したい。

【クラウドファンディング サイト】
20個の火焔土器を救え!縄文土器が消えていく・・縄文火焔土器の職人を応援しよう
https://camp-fire.jp/projects/410456/activities

【関連記事】
新潟県信濃川沿岸のみの「火焔型縄文土器」を実際に手に取り、購入できる縄文ギャラリー「JOMON」(2020年6月19日)
https://www.niikei.jp/37637/

 

本記事は、小池ろうそく店の提供による記事広告です。

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