現役県庁職員が約160万円を不正に引き出し着服していたことなどが判明、県庁で同局が謝罪会見

新潟県福祉保健部地域医療政策課の課長らによる謝罪の様子

新潟県福祉保健部地域医療政策課は6月13日、新潟県庁で、県職員による公金の私的流用を含む不適正な事務処理が判明したことに伴い、記者会見を行った。

会見の冒頭、地域医療政策課の菊池雅明課長らが、集まった記者たちの前に姿を現し、「地域医療の充実に向けて適正に事業を執行すべき私どもにおいて、このような事案が発生した事について深くお詫びします」と謝罪した。

この事案は、当時地域医療政策課の職員(係長クラス)だった30歳代の男性が、2021年度から2022年度までの間に、救急医療電話相談事業(#7119)および小児救急医療電話相談事業(#8000)の電話料(電話転送料)について、従来、地域医療政策課で管理する銀行口座(資金前渡口座)からの口座引落としにより支払いを行っていたが、2021年4月に同課の組織改編が行われた際に、新設された地域医療政策課への引落口座の変更をせず、出金した現金による払込払いにより処理するとともに、実際の請求額以上に預金を引き出し私的に流用していた。

当該職員は、その他、調査事務や支払い事務の遅延・未実施、自費での支払い、不適切な決裁処理などの不適正な事務処理が確認されており、現在、詳細を調査・確認中だという。なお、同職員は2023年4月に他所属に異動している。

不正に私的流用された金銭の総額は、160万2,906 円(2021年度104万4,689 円、2022年度55万8,217 円)。なお、不正に引き出された金銭は、現在、全額返還済みだという。

私的に流用された金銭は、不正を行った職員の借入の返済や生活費などに使用されていたという。また、同職員の処分や告訴などについては、今後、事実関係を精査した上で検討していくという。

不正を行った職員は「非常に申し訳ないことをした」と不正を行ったことを認めているという。

この事案について同局は、今後、事実関係について引き続き調査・確認を進め、全容の把握を行うとともに、関係部局と連携しながら適切に対応していくと話し、電話相談事業に係る支払いについては口座引落しに変更手続き中だという。また、他部局で同様の事案がないか、全庁的な調査(別途体制を整備)を速やかに実施していくとしている。

一方、同局は2019年度~2022年度まで事業者からの補助金返還事務の未処理があったことについても発表した。

地域医療介護総合確保基金を活用した補助事業(2018年度~2021年度実施分)の補助事業者からの消費税仕入控除税額の返還に係る事務において、事業者から返還額の報告は受けていたが、請求事務が行われていなかった。

補助事業に係る消費税仕入控除税額の取扱いについては、消費税分を含む補助金を受けて支払った消費税については、事業者が消費税の確定申告を行い仕入税額控除を受けると、消費税相当分を重複して受け取っていることになるため、事業者に対し返還を求める取扱いとなっている。2019年度に当該事務が行われず、その後の事務引継ぎも適切に行われないまま、未処理が継続していた。

返還が必要となる事業は7事業(医療機関の施設等の整備に係る補助事業や団体の運営する事業への補助事業)、補助金の返還が必要となる事業者数は10事業者で、対象事業者による返還総額は744万9,290円。

同局は、今後、返還が必要となる事業者に謝罪し、返還を依頼する。(6月13日現在、全事業者に謝罪済み)それに加え、再発防止策として、他の職員による確認などチェック体制の強化、適切な事務引継ぎを徹底していくとしている。

また、2018年度の国庫補助金を活用した事業においても、国への報告(消費税仕入控除税額返還に係る事務)が行われていなかったことも判明した。(返還対象 3事業者  要返還額 6,663 円)

地域医療政策課の菊池課長は、「公金の支払いなどのお金に絡む部分は、早急に事実関係を整理する必要があり、取り急いで事実をまとめた上で事実を確認し、原因や背景などについてはこれから詳細に詰めていく」と語った。

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