3月から5月の新潟県内経済「原材料価格の上昇による影響などから、持ち直しの動きに足踏み」

新潟県庁(新潟市中央区)

新潟県は6月9日に公表した「新潟県の経済動向」の中で、2023年3月から5月の県内経済について「原材料価格等の上昇による影響などから、持ち直しの動きに足踏みがみられる」として評価を据え置いた。

県の資料によると、「個人消費・物価」は持ち直しの方向に進んでおり、「改善の動きがみられるものの、弱い動きもみられる」と評した。一方で、そのほかの「住宅投資」「公共投資」「設備投資」「生産」「企業」「雇用」については、前回公表から据え置いた。

県の資料によると、「個人消費・物価」は、改善の動きがみられるものの、弱い動きもみられた。4月の百貨店・スーパー販売額の速報値は、全店では338億円となり、前年同月比6.9%増加し、10か月連続で上回った。既存店では同6.1%増加し、こちらも10か月連続で上回った。

コンビニエンスストア販売額の4月速報値は152億円となり、前年同月比5.4%増加し、1年2か月連続で上回った。また、家電大型専門店販売額の4月速報値は46億円となり、同5.4%減少し、2か月連続で下回った。ホームセンター販売額の4月速報値は83億円となり、同3.5%減少し、2か月ぶりに下回った。

5月の乗用車新規登録・届出台数は5,299台となり、前年同月比20.0%増加し、9か月連続で上回った。車種別では、普通乗用が前年同月比35.7%、軽乗用が同22.9%それぞれ増加し、小型乗用が同2.5%減少した。

4月の新潟市消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は103.6となり、前年同月比2.6%上昇し、1年6か月連続で上回った。費目別では、調理食品、外食などが前年同月比で上昇し、電気代、自動車等関係費などが下落した。なお、総合指数は103.9で前年同月比2.6%上昇し、1年6か月連続で上回った。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.8で、同3.6%上昇し、1年1か月連続で上回った。

「住宅投資」は、弱い動きとなっている。4月の新設住宅着工戸数は790戸となり、前年同月比2.2%減少し、5か月連続で下回った。利用関係別では、持家が前年同月比14.8%減少し、貸家が同26.9%、分譲が同10.2%それぞれ増加した。

「公共投資」は、弱い動きがみられる。4月の公共工事請負金額は361億円となり、前年同月比9.6%減少し、2か月連続で下回った。発注者別では、国は前年同月比43.3%、県は同29.6%、市町村は同2.6%それぞれ減少し、独立行政法人等は同125.1%増加した。

「設備投資」は、持ち直しの動きがみられる。4月の建築着工床面積は、58,536平方メートルとなり、前年同月比12.4%減少し、3か月連続で下回った。用途別にみると、製造業用・卸売業、小売業用、教育・学習支援業用などが前年同月を下回った。

2022年度の企業の設備投資額(日銀短観・2023年3月調査)は、全産業で前年度比1.1%減少の計画となっている。非製造業では前年度を17.1%上回るものの、製造業では10.3%下回る計画である。また、2023年度計画は、全産業で前年度比9.0%増加の計画となっている。非製造業では前年度を0.1%下回るものの、製造業では15.0%上回る計画である。

「生産」は、弱含んでいる。3月の鉱工業指数(季節調整値)は、生産指数が91.1となり、前月比0.1%低下し、2か月ぶりに低下した。前年同月比(原指数)では6.4%低下と7か月連続で下回った。業種別にみると、電気・情報通信機械工業が前月比10.1%、食料品工業が同2.9%、電子部品・デバイス工業が同4.9%それぞれ低下するなど15業種中8業種が低下した。なお、出荷指数は92.9となり2か月ぶりに上昇し、在庫指数は92.3となり2か月ぶりに低下した。

「企業」は、弱い動きがみられる。2022年度の企業の経常利益(日銀短観・2023年3月調査)は、全産業で前年度比2.7%増益の計画となっている。非製造業では3.2%減益と、前年度を下回るものの、製造業では9.9%増益と、前年度を上回る計画である。また、2023年度計画は、全産業で前年度11.4%減益の計画となっている。製造業では16.2%減益、非製造業では7.0%減益と、ともに前年度を下回る計画である。

5月の倒産件数(負供額1,000万円以上)は10件となり、前年同月比25.0%増加し、2か月ぶりに上回った。また、負債総額は15.7億円で前年同月比63.6%増加し、2か月ぶりに上回った。負債総額10億円以上の大型倒産はなかった。

企業の景況感については、日銀短観(2023年3月調査)の業況判断D.I.は、▲2%ポイントとなり、前回調査から1%ポイント悪化した。また、4月の中小企業業況判断D.I.は▲35.0%ポイントとなり、前月から11.7%ポイント悪化し、2か月ぶりに悪化した。

「雇用」は、改善の動きがみられた。4月の有効求人倍率(パート含む全数・季節調整値)は1.58倍で、前月から0.02ポイント上昇し、4か月ぶりに上昇した。有効求人数は、前年同月比1.2%増と2年1か月連続で増加した。また、有効求職者数は、同1.0%減と3か月ぶりに前年を下回った。

 

【関連リンク】
にいがた県統計ボックス(統計課) 「新潟県の経済動向(3月〜5月)」

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