新潟県立大学に「北東アジア研究所」が設立、環日本海経済研究所を引き継ぐ本格学術拠点として高まる期待

研究所教員ひとりひとりが、その研究実績とともに紹介された

新潟県立大学に2023年4月に開設された「北東アジア研究所(ERINA-UNP)」は、今年3月末をもって解散した「環日本海経済研究所(ERINA)」の蓄積を引き継ぎ、「経済社会基盤研究」「プロジェクト研究」「社会貢献」という活動の3本柱に沿って北東アジア研究の中核的学術拠点となることを目指す。

新潟県立大学・若杉隆平学長は「日本を代表する知の拠点に」と期待を込める

6月21日には新潟県立大学コモンズ3号館にて開設記念式典が開かれ、多くの列席者と報道陣が詰めかけた。

冒頭のあいさつで、公立学校法人新潟県立大学の若杉隆平学長は「30年間様々な研究、調査を続けてきたERINAだったが、その間に国際情勢も激変し、新潟と北東アジアの交流にも大きな変化が見られた。新たに開設された研究所では、ERINAで蓄積された成果を継承しつつ、新潟と北東アジアの相互の発展を視野に入れ、北東アジアの社旗経済において先観的な研究活動が期待されると同時に日本を代表する知の拠点になっていただきたい」と話した。

来賓のあいさつに立った花角英新潟県知事は「旧ERINAの調査研究で蓄えられた様々なネットワークを活用して、大学の付置研究所として国内の研究機関と結び、学術のHABとなって欲しい。そこで得た知見を経済界にまた還元する、そうした姿を期待したい」と話した。

来賓のあいさつに登壇した花角英世新潟県知事

新潟経済同友会・吉田至夫代表幹事

同じく来賓の新潟経済同友会・吉田至夫代表幹事(新潟クボタ代表取締役社長)は旧ERINAと地元経済界の結びつきにも触れ「かつての金子清、平山征夫両知事の両知事の時代に勃興した『日本海新時代』の熱気の中で生まれた時代の申し子だった。地元企業にもその知見にお世話になったところは多く、それは新潟県だけにとどまらない」と話した。

北東アジア研究所の前身となる公益財団法人環日本海経済研究所は、平成5年10月、新潟県と新潟市を中心に10県と民間企業8社の後援で設立され、中国東北地方とロシア極東地域をはじめとする北東アジアの地域経済圏発展に寄与することを目的に、経済に関する調査・研究を蓄積し、様々な国際会議や経済セミナー開催するなど大きな功績を残して今年3月に解散した。これを引き継ぐ形の新しい研究所にも、日本海を中心とした同心円で県内・国内外の研究を結節する拠点となることが期待される。

北東アジア研究所・中島厚志所長

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