【長岡新聞】中村三奈子さん失踪から25年 与板LCがパネル展 母・クニさんの講演も
特定失踪者と拉致問題について理解を深め、関心を持ち続けてもらおうと与板ライオンズクラブ(長谷川愛之会長)はこのほど、パネル写真の展示と母親クニさん(80)の講演会を地域交流館わしま(小島谷・和島小学校講堂)で開催した。1998年4月、高校を卒業したばかりの三奈子さんが失踪してから、25年になる。
新潟空港から韓国に渡ったことまではわかったが、その先は今も不明のままだ。会場には、三奈子さんが失踪時に着ていた紺のパーカー姿の写真や、友達同士の笑顔で写った写真などが数多く展示されていた。
クニさんは「さまざまな所に出向いて情報提供をお願いしている。失踪当日は3万円くらいしか所持金はなかったと思う。そのお金で韓国までの航空券、長岡から新潟空港までの交通費などを考えると第三者がいたことは間違いないと確信している。最後は政府に頼るしかないと思うが、一日でも早く声を聞きたい」と娘への思いを訴えた。また、演台の横には三奈子さんが編みかけた赤いマフラーが置いてあり、毛糸が無くなったら、一緒に買いに行くことになっていたという。
講演を聞き終えた地元の女性(81)は「母親としてどんなに切ないか痛いほどわかる。以前から話を聞きたいと思っていたが、こういう機会を与えてもらってよかった。中村さんには身体に十分気を付けて頑張ってもらいたい」と感慨深そうに話した。
【長岡新聞 2023年6月22日付】