にいがた経済新聞編集部発「今週のまとめニュース」(6月19日〜25日)
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編集後記
記者という職業を長くしていると、不思議な「縁」とも言うべき出会いがある。
約20年前、新潟県内のある新聞社で記者をしていた私は、新潟県上越市の今はなき福島城(1607年完成)の取材をするために、地元の福島城研究の第1人者である渡邊昭二さんのお宅へ向かった。そこで、渡邊さんにインタビューをさせていただき、帰り際には、福島城に関する自費出版の本「蘇る『越後福島城』」まで頂いたのであった。福島城は「幻の城」とも呼ばれ、時代的には春日山城と高田城の間に位置し、わずか7年で廃城した短命の城だった。現在は、旧古城(ふるしろ)小学校跡地や、大企業の工場敷地となっている。
あれから何十年も経ち、「にいがた経済新聞」に転職した私は、2021年4月に佐渡汽船の直江津・小木航路にジェットフォイルが就航する取材に出向いた。セレモニーなどの取材を終え、帰ろうとしていると、「新聞社の方ですか?」と初対面の1人の男性から声をかけられた。その時、私は会社の腕章をしていたのである。その男性は、A4の分厚い茶封筒を持って、「福島城について取材してもらいたいのですが、まずは資料を読んでくだい」と話しかけてきた。
デスクに相談し、取材することになった。話を聞くと、その男性は元古城小学校の教頭で大学の先輩でもあり、なんと、渡邊さんの意思を引き継ぎ、福島城の研究をしていた方だった。しかも渡邊さんは、2021年3月に94歳で亡くなっていたのだ。私もしばらく渡邊さんとは年賀状のやり取りをさせていただいていたが、まさか、元教頭に会う1か月前に他界されていたとは知る由もなかった。これは、渡邊さんが会わせてくれたのかもしれない。私はそう思った。
2021年6月に、元教頭を取材し、福島城の記事を書いた。記事には、私が約20年間自宅に保管していた「蘇る『越後福島城』」を手にカメラに収まる元教頭が写っている。なんという運命だろうか。それからも元教頭との付き合いは続き、取材先の紹介もして頂いた。
そして、今年5月末、元教頭と会う機会があり、福島城の話になった。そして、渡邊さんから引き継いだ資料や過去の新聞記事のコピーを見せてくれた。その中に私が20年前に書いた渡邊さんのインタビュー記事があったのだ。なんと、渡辺さんは私の記事を切り抜いて持っていてくれたのである。
まさに、見えない何かによって結ばれた縁(えにし)のように思える。
やはり、「事実は小説よりも奇なり」か。
(編集長・梅川康輝)