【天下の奇祭】「しねり弁天たたき地蔵まつり」4年ぶりの通常開催で大盛況(新潟県魚沼市)【動画あり】
新潟県魚沼市の小出地区に古くから伝わり「天下の奇祭」と呼ばれる「しねり弁天たたき地蔵まつり」が、6月24日に開催された。コロナ禍による中止や内容の縮小を経て、4年ぶりの通常開催となった。御神体渡御(とぎょ)や弁天踊りなどが祭りを盛り上げ、奇祭を一目見ようと市内外から多くの人が訪れて賑わった。
「しねり弁天たたき地蔵まつり」は、魚沼市の中心部、旧小出町の諏訪町にある弁天堂境内で行われる「安産祈願」の祭り。男性が「しねり弁天!」と声をかければ女性をつねってよく、女性は「たたき地蔵!」と呼べば男性を叩けると、年に一度の無礼講が許される。独特の化粧を施した小出商工会議所青年部のメンバーなどが御神体の綱を引き、町中を練り歩く様子は、まさに「奇祭」と呼ぶにふさわしい。
日が傾き日中の暑さが和らいできた17時30分ころ、弁天堂前にて祭りの祈願と開会式を行った。開会式では、しねり弁天たたき地蔵まつり実行委員会の横山潤弥委員長が、挨拶で、「今年度、コロナが5類になり通常開催に戻そうと判断しましたが、3年間のブランクがありさまざまな困難や苦労がありました」と話した。
続けて横山委員長は、「しかし、こういう苦労をしてでも、このしねり弁天(たたき地蔵)まつりを開催することには、地域の皆さまがこの祭りで元気を持ってもらい、子ども達が楽しんでくれて、将来街を盛り上げてくれる地域活性化の一助になると私たちが信じているからです。今日は、飲んで、食べて、たたいて、しねって、楽しんでいってください」と挨拶を締めくくった。
開会式後、弁天踊りとともに、御神体渡御がスタート。「しねってご利益、たたいてご利益」という掛け声とお囃子とともに街を練り歩き、大勢の見物客が踊りや練り歩きに参加したり、その様子を見たりして楽しんだ。
御神体渡御の最後は、選ばれた新婚夫婦が御神体にまたがり弁天堂に向かって突入するクライマックスを迎える。今年選ばれたのは、新郎32歳と新婦31歳の新潟県柏崎市在住の夫婦。2022年2月に結婚したという夫妻は、新婦が以前、魚沼市に住んでいた時にこの祭りを知り、自分も出てみたいと思ったことから応募して選ばれたという。
弁天堂に到着した新婚夫婦を乗せた御神体が、弁天堂前の縄の輪を、「入れる・入れない」の儀式を行ったあとに突入し渡御が終了。お祭りの最後は、参加者が輪になって弁天踊りを行い、最高潮の盛り上がりのうちにフィナーレを迎えた。