株式会社能水商店(新潟県糸魚川市)のレトルトカレー「ごっつぁんカレー」シリーズの売り上げが好調に推移
新潟県糸魚川市の水産会社・株式会社能水商店が昨年6月から販売するシーフードのレトルトカレー「ごっつぁんカレー」シリーズの売り上げが計画比5倍と好調に推移している。
能水商店は、元新潟県立海洋高校の教諭だった松本将史代表取締役が海洋高校の水産加工実習を支援しながら地域水産資源の有効利用を図ること目的に2018年に設立した会社で、海洋高校の生徒たちが開発した魚醤「最後の一滴」を普及させるために、関連商品の開発を昨年から加速化している。今回、全国屈指の強豪校である海洋高校相撲部生徒が能水商店での企業実習で「ごっつぁんカレー」(税抜き480円)を開発した。
シーフードカレーのため肉のうま味が出ないのが難点。そのため、地元能生漁港で水揚げされた甘えびの魚醤「甘えび醤油」を味付けに使用し、香りとコクを付けたという。実際に開発した3人の元相撲部生徒(現在2人は大相撲に入門、1人は大学相撲部に在籍)がカレーを頬張るパッケージがユニークだ。売り上げの一部が能生中・海洋高校相撲後援会に寄付され、遠征費や合宿所の食費として活用される。
製造は、大手メーカーのレトルト食品製造などを手掛ける新潟県新発田市の食品メーカー、日東アリマン株式会社に依頼した。通常小ロットは対応しないが、糸魚川地域を応援したいという思いから引き受けてもらった。
カレーの味は辛味が強くなく、マイルドな味で子供でも食べやすい。イカ、ホタテ、エビのほか、じゃがいもや人参も入っており、レトルトカレーとしては具沢山なのが特徴だ。カロリー的にも180グラム162キロカロリーで、他のレトルトカレーの約200カロリーと比較すると低い。
販売は土産需要を見込み、高速道路のサービスエリアや道の駅、旅館のお土産売り場が主で、能水商店の松本代表取締役は「価格も本体価格500円以下でご当地カレーとしては比較的安価。かつ、甘えび醤油の添加効果で香り高いところが人気の要因ではないか」と分析する。
昨年12月には「ごっつぁんカレー」の激辛版として、「ごっつぁんカレー鬼辛」(本体価格630円)を発売し、シリーズで売り上げを伸ばしている。
今後は、近年のデカ盛りブームもあることから、海洋高校生の課題学習の一環で市場調査を行い、2倍量や特盛サイズの投入も検討している。