「お客様のお金を守る、という信念を持って」特殊詐欺を未然に防いだ大光銀行白根支店を新潟南署が表彰
新潟南警察署は6月29日、特殊詐欺被害を未然に防止した大光銀行白根支店と同行員に対し、署長感謝状を贈呈した。同行は、5月24日にも特殊詐欺被害を未然に防いだとして同署から表彰を受けている。
表彰を受けたのは、大光銀行白根支店の小野塚仁支店長、同行の山口真佐子副長、同行の佐藤真弓さん、同行の井上寛子さんの4人。
5月22日、大光銀行白根支店は新潟南署から還付金詐欺の予兆電話が多発しているという連絡を受け、いつも以上に利用客の様子に注意を払いATMコーナーの警戒を強化していたという。
同日、表彰を受けた佐藤さんと井上さんは、来店した新潟市南区60歳代の女性が、「ATMの利用方法がわからない。年金の還付手続きのためにATMに来た」と話したことから、特殊詐欺を疑い、女性にかかってきた電話に代わり対応するとともに、山口さんに報告した。
報告を受けた山口さんは警察に通報するとともに、佐藤さんと井上さんと協力して女性が手続きを止めるように説得し、還付金詐欺被害を未然に防いだ。
大光銀行白根支店では、5月8日にも還付金詐欺被害を未然に防いでいたという事もあり、行員の還付金詐欺被害防止に対する意識も非常に高い状況であったという。
表彰された4人に対し、特殊詐欺被害防止に対する意識を聞いた。
大光銀行白根支店の小野塚仁支店長は「電話をかけながらATMにいらっしゃるお客様や、店頭においても一般論として釈然としないような形のお金の引き出しがあった時は、お客様の抵抗も予想される。だが、そこは割り切って『お客様のお金を守る』という信念を持って声をかけていかなければいけないと思う」と話した。
山口真佐子副長は、「電話がかかってきて『還付金がある』などの話が出たら、まず怪しんでほしい。もしそういう言葉を聞いたら、自分一人で抱え込まずに役場や警察、銀行に相談してほしいと思う」と語った。
佐藤真弓さんは、「私は外回りをしているのですが、伺ったお宅で不審な電話などがあったら銀行に来てもいいが、窓口や私に相談してほしいと言っている。こういった活動をしていく事で特殊詐欺被害を防ぐことができるのではないかと思っている」と話した。
井上寛子さんは、「詐欺被害に遭っている人は自分の身には起こらないと思っているというのが、世間で騒がれている詐欺の事例だと思う。少し恥ずかしい気持ちもあるかもしれないが、銀行の人に声をかけて頂きたい」と語った。
新潟南署の原伸一署長は、「銀行の皆さんには、いつも最後の砦として被害防止対策をお願いしており、非常に心強いと感じている。特殊詐欺は高齢者の被害が多いのだが、高齢者の皆さんがせっかく貯めたお金を根こそぎ持っていくという非常に悪質な犯罪だ」と話した。
続けて、「今は『防犯機能付き電話』を設置し、電話に出ないようにすることが詐欺被害防止につながるのではないかという事で周知を図っている。現在、県警も取り締まりや被害防止に力を入れている」と語った。