「地域密着型の開かれた市場に」新印青果西部卸売市場(新潟県燕市)が10日に移転開場、一般消費者が利用できる店舗も併設

6日昼の落成式でのテープカットの様子

新印青果西部卸売市場(新潟県燕市)が7月10日に同市内吉田西太田へ移転開場する。それに伴い、6日に落成式が執り行われた。同市場は地域防災の活動拠点としての機能や、一般へ向けの直売所なども備えた「新しい市場」を目指す。

新印青果西部卸売市場は、県央地域の拠点となる総合卸売市場。開設者は株式会社新印青果西部市場で、青果卸会社として新潟中央青果株式会社が、水産卸として新潟西部水産株式会社が入り、圏内人口約26万人の県央地域の青果仲卸と小売を対象に展開する。青果物の取扱量(売上)は、約60億円。燕市吉田法花堂の現施設は1966年に開場したが、半世紀以上が経過し建物自体と冷蔵施設の老朽化や、施設増設などに伴う荷物の積み下ろしスペースの不足などが課題となっていた。

西太田にできる新施設は、敷地面積2万3,699平方メートル、建物面積5,343平方メートル、延床面積5,535平方メートルで、駐車台数は294台。青果の卸売場は2,455平方メートルで、水産卸売場は481平方メートルを確保する。規模としては現施設の3分の2ほどだが、取扱量については地域の生産者と連携して今後5年間、売上ベースで年2%ずつほど増やしていきたい考え。なお、現市場の跡地は貸し倉庫として継続して使用していく。

市場全体の概要(新印青果西部卸売市場の資料より)

新潟中央青果株式会社の大澤厚志代表取締役社長

また、移転先は水害の被害を受けにくい立地であり、施設自体も災害に強い設備となった。さらに、周辺施設のそれと合わせ1,862トンの水を貯めることができる調整池を地下に備える。周辺企業と連携した地域防災協議会も設立し、災害時には市と協力して物資の保管など様々な役割を果たす、地域の防災拠点としての活躍が期待される。

一方、プロだけでなく一般消費者も利用できる「賑わいの場」としても注目される。6月にオープンした「Next Generation Town」に近い東側には、一般消費者が利用できる店舗「燕バザール館」を設置。市場で取り扱う新鮮な野菜・果物、魚、肉のほか、弁当なども販売するという。開店時間は、9時頃から15時頃まで。日曜日休業。

6日昼の落成式には、主催と来賓合わせて60人ほどが出席。挨拶に立った新潟中央青果の大澤厚志代表取締役社長は「これからの時代を見据えて、時代が求める、全国に例がない夢膨らむ市場づくりに専念していく。まさしく、地域密着型の開かれた市場をつくっていくことを約束する」と意気込みを語った。

新印青果西部卸売市場 外観

一般消費者も利用できる「燕バザール館」

6日昼時点の市場の内観

 

【グーグルマップ 新潟中央青果西部卸売市場の周辺】

 

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