【母校の中学生に講演】昨年度のノーベル生理学・医学賞の受賞候補者の長谷川成人氏がメッセージ
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母校の妙高市立新井中学校代表生徒からの記念品を受け取る長谷川成人氏(右)
昨年度のノーベル生理学・医学賞の受賞候補者である、新潟県妙高市出身で東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野長の長谷川成人(まさと)氏(62歳)が7月11日、妙高市役所を訪れ、母校の妙高市立新井中学校の生徒約30人を前に講演を行なった。そのほかにも、オンラインで妙高市内の中学2年生全員に配信した。
この講演会は、生徒の職業意識を高める目的で、妙高市教育委員会が主催する第9回「キャリア教育フォーラム in 妙高~夢への扉~」の一環として開催された。
長谷川氏は、認知症の発症や進行のメカニズムの研究者で、原因となる異常型タンパク質の構造を解明し、診断や治療に役立つ基盤を構築しようと研究を進めている。
長谷川氏は、妙高市の新井中学を卒業後、新潟県立高田北城高校へ進学。その後、東京農工大学へ入学したものの、やりたい学問と違ったことや、東京の生活に慣れずに1年生の途中で退学。自宅へ戻り浪人して、翌年富山大学に入り直した。
その後、筑波大学の大学院修士課程へ進み、修了して大手化学系の民間企業へ就職。だが、「利益を追求するのではなく、社会に貢献できる研究がしたい」とサラリーマンを辞め、東京都老人総合研究所へ。アルツハイマーなどの研究を行い、「自分のやりたい研究ができた」(長谷川氏)。
その後、「真理を追求したい」と理化学研究所に出向し、博士号を取得して、東京大学の助手になった。その後、イギリスに留学し、帰国後は東京大学薬学部の講師となった。現在は、東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野長である。
最後に長谷川氏は「時間は有限で、あっという間に過ぎてしまう。私の人生は一言で言うと、まわり道の人生だが、何でも体験してみないと分からない。みなさんには、一つのことを徹底してやってもらいたい。何かやりたいことを一生懸命していれば、必ず誰かが助けてくれる」と中学生たちに呼びかけた。
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新潟県妙高市出身の長谷川成人氏
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新潟県妙高市立新井中学校の生徒が妙高市役所で講演を聞いた