【新潟県三条市】7.13水害から19年、慰霊碑に花 滝沢市長「市役所職員の半数に水害経験がない、防災意識高める契機に」

慰霊碑と献花台

2004年7月13日に発生した新潟・福島豪雨(7.13水害)から、今年で19年が経過した。市内五十嵐川などが氾濫し、9人が犠牲となった三条市では、今年も五十嵐川水害復興記念公園に献花台が設置され、当時を経験した人をはじめ、市民が手を合わせに訪れていた。

2004年の新潟・福島豪雨は、県内では特に長岡と三条の広大な範囲へ甚大な被害をもたらした。12日夜から中越地域を集中豪雨が襲い、県内6河川で11か所が破堤。12日から14日までの総降水量は、笠堀ダムで491ミリメートルにもなった。三条市では被害棟数1万935棟、被害世帯では7,511世帯にものぼる。その7年後の2011年7月末に発生した豪雨災害(7.29水害)と共に市民に深く記憶されており、市では毎年7月13日、五十嵐川水害復興記念公園に犠牲者を悼む献花台を設置している。

記念公園の近くに住む冨里高志さん(65歳)は「当時、父が堤防決壊の様子を目の当たりにした」と話す。「2階に避難して、私もゴムボートで救出された。19年で色々忘れたが、水害のことだけは昨日のことのように思い出す。あれ以来、天気予報を見ない日はない。今日だって富山や石川で線状降水帯が広がっていると聞いて心配している。地元の人には(水害を)忘れないでほしい」。

黙祷の様子

7.13水害の堤防決壊時刻となる7月13日13時15分、三条市の滝沢亮市長をはじめ、市職員や議員など関係者が記念公園を訪れ、黙祷を捧げた。

黙祷の後に囲み取材を受けた滝沢市長は「今、いつどこで水害が発生してもおかしくない状況で、日頃からの準備が大切だと思っている。今の小中高生をはじめ、私を含めた市役所の職員も半分が7.13水害を経験していない。市役所の防災力と、地域全体の防災意識を向上させる契機にしていかなければならない」と語った。

五十嵐川水害復興記念公園

五十嵐川(2023年7月13日12時頃撮影)

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