【変貌する商店街】新潟県上越市の高田本町商店街 コワーキングスペースに東京IT企業、有名飲食チェーン店も進出
新潟県上越市の高田駅周辺にある高田本町商店街。百貨店の大和と総合スーパーの長崎屋が撤退後に2核モール構想が浮上、現在のイレブンプラザとあすぴあ上越がともに2013年に完成し、2核モールが実現して10年が経過した。
この2核モールの総括について、本町345商店街連合会の竹田隆之理事長は「この2核がなかったら、もっと厳しい状況だった。あすとぴあでは、ミニスーパ―がなくなってしまったが、イレブンビルのドラッグストアがその代わりになっている。あすとぴあでは展示会が行われているし、まちかど交流館ではイベントやコンサートなどもやっている。2核プラス、小さい3核とも言える。また、商店街はある程度変わっていかないといけない。老舗は自分が変わりながら、長く続けている。新しいお客さんも作らないといけない」と語る。
実際にここ数年、本町商店街は変貌している。
2021年12月にコワーキングスペースの「ビビット」がオープン、スパイス料理・スパイスカレーの「七つ森」が2022年4月に移転オープンした。また、今年に入って、1月にパン店「小麦の奴隷」、7月には「串カツ田中」の開店と有名店のオープンラッシュが続いた。そして、今年5月には、コワーキングの「ビビット」に東京IT企業のアーキペラゴがオフィスを新設し、雇用も創出。さらに、「ビビット」は今年4月から上越市との業務委託契約により、起業相談窓口「ビビットスタートアップ相談所」を開設した。
まさに変わりゆく商店街だが、竹田理事長は「飲食店の元気がいい。(讃岐うどん店の)鶴越さんや七つ森さんは、お昼は行列を作っているほどだ。やはり、飲食店は大変だと思うが、その分味や料理で独自色を出して、人を惹きつけやすい面はある」と分析する。さらに、竹田理事長がファッション店を経営していることもあり、「商店街は女性に支持されないといけない。やはり、買い物は女性が中心だ」と語る。
100年の歴史を有する店舗が30店舗近くある本町商店街では40、50代で構成する「10年ビジョン検討委員会」があり、県内外の商店街などを視察するなど動き始めている。
一説には、高田の陸軍や現在の自衛隊の「需要」が本町商店街を支えてきたという話もあるが、現在では越後謙信SAKE祭りなどのイベントは成功している。変わりゆく本町商店街を今後も見続けていきたいと思う。
(文・撮影 梅川康輝)
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