【巨額不正受給】長岡市の高級婦人服メーカー、違約金など含めて3億円以上を返還へ
厚生労働省新潟労働局は7月24日に、長岡市の高級婦人服メーカー、株式会社モンエクセレ(長岡市栃尾山田町1番12号、中山喜美子社長)が雇用調整助成金を不正に受給していたことを公表した。
新潟労働局によると、同社が不正に受給し、返還を求められているのは国の「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例」雇用調整助成金。本来、従業員の休業補償に充当されるべき制度だが、同社は令和2年9月から令和4年10月までの期間、社員が休業していないにもかかわらず休業したとする虚偽の申請書類を作成し、当該助成金を不正に受給した。不正に受け取った額は2億8,341万4,277円にのぼり、雇用調整助成金に関する県内の不正受給事例では過去最大となる。支給決定は令和5年7月12日を以て取り消されている。
不正受給分については現段階で未返還で、これから納付計画の策定となるのだが、通常はこの金額に、違約金(不正受給分の20%)と金利(年利3%)が加算されるため、同社の返還は総額で3億円を優に超える見込み。
株式会社モンエクセレは1973年の設立で、資本金1,500万円、従業員数160人。上記の本社のほか、長岡市福住に生産工場を稼働させている。婦人服の高級プレタポルテを製作する縫製工場で、もともと繊維の会社である強みを活かし、素材の質の高さをひとつの強みとしていた。
しかし近年は、国内繊維産業が海外製品との競争力に乏しく、苦境に立たされており、加えてコロナ禍による外出機会の激減、原料資材や燃料の高騰、ファストファッションの流行などが、高級路線の婦人服メーカーをさらに窮地に追い込んでいたと見られる。
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