【クマが人里に行く危険性あり】新潟県鳥獣被害対策支援センターがクマ被害の注意喚起、被害防止のポイントも
新潟県鳥獣被害対策支援センターは8月8日、新潟県庁で記者会見を開き、「令和5年度堅果類豊凶調査」(速報値)を発表するとともに、ツキノワグマなどが人里に出没する可能性が高いとの見解を述べ注意喚起を呼びかけた。
ツキノワグマは、秋に冬眠に向けて餌を求めて活発に動き回る。そこで県では奥山のブナなどの木の実の豊凶が人里へのツキノワグマの出没に影響することから、毎年、ブナなどの堅果類(どんぐり)の豊凶調査を実施している。
結果(速報値)、新潟県全体では「凶作」(結実は認められない)と予測された。地域によるばらつきはあるが、冬眠前のツキノワグマが餌を求めて人里に出没する可能性がある。また、ツキノワグマが春から継続して出没していることから、県では注意喚起を呼びかけている。
今年度のツキノワグマの目撃件数は、8月7日現在で422件。この件数は平年並みではあるが、今年度と同じように凶作であった令和元年度から令和2年度にかけて、ツキノワグマの出没や人身被害が多発したことから警戒を呼びかけている。
ツキノワグマの目撃情報や人身被害は秋ごろに増加する傾向にあり、8月7日現在は平年並みの目撃件数ではあるが、今後、目撃件数が増えることが予測されるという。
鳥獣被害対策支援センターの葉葺(はぶき)久尚副所長は、「令和5年度は、令和元年度や令和2年度と同じようにツキノワグマが人里に出没し、被害が増えることが心配される。ちなみに、令和元年度は人身被害が16件20人が被害に遭っている。令和2年度については、17件21人、そのうち1人が亡くなっている。クマのいるところには近づかないようにして頂きたいのと、県のホームページに出没情報を掲載しているので、活用してほしい」と語った。
鳥獣被害対策支援センターは、夏の行楽での入山などクマの生息域に近づく場合には「複数で行動し、ラジオや鈴などの音の鳴るものを携行する」「クマの活動が活発な早朝や夕方の入山は避ける」「クマの餌となる生ゴミや不要となった農産物・果実は適切に処分する」「クマを誘引する墓の供え物は、墓参り後に持ち帰る」「集落周辺や河川敷などクマが隠れそうな藪を刈り払う」などの対策をとってほしいと呼びかけている。
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