【人気記事】キシャメシ・6月19日 記者、新潟市東区で200円カレーを見つけ「カレーは飲み物」を実感する(再掲載)
2023年春から夏にかけての本紙から好評だった記事をピックアップして、お盆休み期間に再掲載いたします。(編集部)
掲載日 2023年6月19日
新潟市東区で写真撮影が2点ほどあり、車を走らせていた記者の目に飛び込んできたのは「200円カレー」の赤い看板だった。
「おお、まだやってたんだ」
車には記者独りきりだったが、もしかしたら実際に口から言葉を発していたかもしれない。そのくらいの驚きはあった。「200円カレー」が新潟の街に出現したのは10年ほど前だったか・・・
当時、新潟駅にほど近い春日町のあたりに1号店が出され「学食より安い価格で、やっていけるのかな」と勝手に心配になった覚えがある(大きなお世話だ)。そんな心配をよそに「200円カレー」の店は新潟市内で増殖し、ピーク時には5~6店舗あったように記憶する。経営元が「原価率研究所」(現在この名前は使用していない)というドストレートな名前だったから、「200円カレー」の戦略はさぞかし練られたものだったに違いない。
しかし「200円カレー」は、数年で新潟の街から姿を消していった。あるいは材料費やエネルギー資源が高騰した煽りを受けたのかもしれない。とにかく「200円カレー」は250円や300円になったりせず、次々に閉店していった。幾度となく世話になっていただけに、寂しさがあった。だがスーパーマーケット敷地の一角にあるこの東区の店舗だけは残っていたようだ。
ちゃんと営業しているのを確認して、訪店。ワンオペで店を切り盛りする男性に「他はどこかやっていますか?」と聞くと「ここだけになったのですよ」とのこと。いやいや残っていてくれて嬉しいのだよ、記者は。
メニューを見ると「カレー200円」「唐揚げカレー300円」「チーズカレー300円」「ハンバーグカレー350円」「とんかつカレー400円」とあり、昔よりバリエーションが増えた印象。
テイクアウトもあるが、せっかくなので店内で。
もちろん200円カレーをオーダー。きました、きました。
一口、ああ間違いない味。100人中100人が一度は食べたことある味。感動するほど美味い!というカレーではないが、週5で出てきても文句ない。日本人にとってカレーライスの在り方って、それで良いのではないか、と思う。目視できるような具は入っていない。おそらくカレーの中に溶け込んでしまったのだろう。ちゃんとコクあるし、こがしタマネギがもたらす深みも感じられる。普通に美味い。これを200円で出すには相当研究しつくされているはず。ルーの粘度も、硬すぎもなくユル過ぎもなく、絶妙なところ。家庭のウマいカレー。
あっという間に一杯のカレーを完食した記者、メニューにあったチーズカレーも食べたくなり、恥ずかしながらオーダー。そしてこれもペロッとたいらげてしまった。
「カレーは飲み物」は本当だ。
それにしてもカレー2種類食べて500円!ワンコインでっせ。ワンコインでセッタひと箱買えない時代に。
記者は思うのだ。新潟には評判のカレー屋さんもたくさんあり、県外からわざわざ足を運んで食べにくる人もいる。しかし言うほどか?と。カレーはカレーでありさえすればそれでよい。飲みほすように「ゴクゴク喰らえる」カレーが、腹減ってるときは一番美味かったりする。
(編集部I)
【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。
【200円カレー・原価率研究工場】
新潟市東区藤見町2丁目4-16
営業時間 11時~14時半 17時~19時 不定休
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