一杯のラーメンにこめる青春のひととき 4年ぶりに復活 若き料理人たちが腕を競う「高校生ラーメン選手権」(新潟県長岡市)
新潟県長岡市大手通にあるシティホール・アオーレ長岡ではこのほど、長岡商工会議所青年部(長岡YEG)による高校生長岡ラーメン選手権が開催された。
同選手権は、各参加校8人以上の高校生チームが、それぞれ趣向を凝らしたオリジナルのラーメンを考案し販売する。そして、食べた人の投票など参考にして、ナンバーワンラーメンを決めるものである。2011年から開催されてきたイベントだが、新型コロナウィルス感染拡大の煽りを受け、3年間の開催中止。今回は、4年ぶり10回目の開催となった。各参加校チームのメンバーは、同じ高校のクラスメイトや中学時代の友人、部活のメンバーなど、多様な繋がりから構成されている。
「ラーメン 長工」のチームリーダーとして、チームを牽引してきた北原朝日さん(15歳)は、将来ラーメン屋を経営したいという。そんな北原さんの夢を聞いた北原さんのお父さんが、同選手権を北原さんに紹介し、中学校時代と高校の友人を集めて、早速エントリーしたという。当日の売れ行きは好調の様子。北原さんも、「ありがたいです」と、ほっと胸を撫で下ろす。「7人という少ないメンバーで、店舗をまわすことや、麺の茹で時間などを調整することが難しく、勉強になった」と語った。
会場でラーメンを食べていた長岡市内の20代女性は、「今年初めて参加した。おいしい。来て良かった」と満足そうに語った。また、同選手権に参加した仲間の応援に駆け付けた長岡工業高校工業科の野上蓮乃(れの)さん(15歳)と同・皆川紫苑さん(16歳)は、それぞれ、「めっちゃうまいっス」「うまいっス」と、仲間が作ったラーメンに美味しそうに、舌鼓を打っていた。
今年で長岡YEGを卒業するという小林義勝さん(49歳)は、「自分が青年部に所属してから、コロナ禍になり、同選手権は、3年間やっていなかった。(長岡YEGとしての)参加は今年が最初で最後」と、複雑な心境を語る。上越高校の料理部仲間「とんとん亭」が作った「酒かすとんポタつけ麺」を食べながら「長岡だと味噌がしょっぱい感じがするが、こちらは甘い感じがしておいしい。麺も硬くないし、ちょうど良い」と感想を述べた。
アリーナのステージでは、書道やダンスなどの「ティーンズパフォーマンス」も開催され、長岡市と上越市の高校7校9チーム、総勢100人以上が集まったアオーレ長岡は、エネルギッシュな10代の若い姿で満ち溢れていた。