【オカルトで地方を元気に】 新潟県長岡市で本格派怪談イベントが続々と 8月13日にアオーレ長岡で、19日には同市内安禅寺でも(新潟県長岡市)
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会場には特級呪物が!?
全国でもトップクラスの心霊スポットの数や豊かな民俗文化が存在しているのにも関わらず、全国的に比べると新潟では怪談イベントが総じて少ない。まして、地元出身の怪談師の数ともなると、その数はさらに少なくなる。
新潟県の怪談・オカルト文化を盛り上げることを目的に、新潟県長岡市を拠点に活動を行っているのが「新潟オカルトGATE」である。新潟県燕市出身長岡市在住のKenjiさん(38歳)がその代表を務める。Kenjiさんは昨2022年、ピン芸人で怪談師として知られるガンジー横須賀氏とモノスゴイズの田中和幸氏を招聘し、新潟県新潟市内の公共施設で怪談イベントを企画した。ところが、新型コロナウィルス禍による自粛要請の元、用意していた会場が使えなくなってしまい、直前になって中止せざるを得なかったという悔しい経験を持つ。
そんなkenjiさんが今年企画したのは、新潟県長岡市にあるシティホールプラザ「アオーレ長岡」での怪談イベント「長岡怪談物語」である。経験の有無に関わらず、kenjiさんが、自身と繋がりのある20代から50代の怪談師5人をピックアップして登壇させた。
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怪談会なだけに、「受付は幽霊」なんてことも・・・!?(単に休憩中だと思われる)
イベントは、午前の部、午後の部の計2回行われ、それぞれ1時間ほど行われた。暗い会場で不気味なBGMとともに、怪談が語られると、会場内はシーンと静まり返る。不思議な話、不気味な話がそれぞれ交錯し、聴衆の中からは、咳一つ聞こえない。雰囲気は伝わってくる。2部併せて40人近くの参加者だったが、その分、各怪談師と距離が近い素晴らしい集まりとなった。
会場の外では、キッチンカーが出展し、当日限定のオカルトメニューも販売していた。
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怪談師の語りに、はっ!と息をのむ一幕も
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キッチンカーPFC-lab.のイベント限定「おばけプレート」
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キッチンカーいぬねこ茶屋のイベント限定「目玉ソーダ」
当日は、MC兼怪談師の一人として、新潟県五泉市から登壇したマサオさん(40代)は、「自分のイベントが7月にできなかった分、楽しめた」と満足そうに述べた。
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イベントでMCと怪談師を務めたマサオさんは、なんと「7月中に2回も続けて自動車事故に遭った」という
また、この日のために奈良県から車を飛ばして駆けつけてきた怪談師のあまぎさん(50代)も、「何となくですが、皆さんご関心が深い人たちが会場にいらっしゃったようで、結構話しやすかった。おかげで、長距離運転してきた疲れが飛んだ」と、イベントの盛り上がりを喜んだ。
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イベントのために、奈良県から自家用車を飛ばしてきたあまぎさんは翌日、青島食堂の生姜醤油ラーメンを堪能したという
聴衆の中には「とても怖かった」(長岡市内在住・30代女性)という感想を漏らす人がいる一方、「そんなに怖くなかった」(長岡市内在住・40代男性)という声もあり、様々な反応があった。そのことが逆に、怪談師たちの語りに火をつけたようだ。「次はもっと怖い話を語る」などと意気込む怪談師の姿もあった。怪談師同士の結束も強まったようである。
主催のkenjiさんは、「第1回なんで、改善点もあると思うが、想像以上にお客さんに来ていただいた。第2回も間を開けず、やろうと思う」とコメントした。
19日には、同じ長岡市を拠点に怪談イベントなどを企画している怪談ランプ会が西蔵王にある安禅寺で怪談会を企画しているという。
コロナ禍も一旦落ち着き、滞っていたイベントにも、人の波が戻りつつある。この機会に新潟県内の怪談イベントがさらに大きな盛り上がりを見せそうだ。新潟県長岡市でその鏑矢を放った「新潟オカルトGATE」への関心と期待は大きい。
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主催者のkenjiさんは、「次もすぐやります!」とパワフルだ
(文・撮影 湯本泰隆)
【関連リンク】
新潟オカルトGATE公式X