【連日の猛暑】高温と水不足、米をはじめとした新潟の農作物へ影響 8月末まで雨の予報はなくさらなる深刻化も懸念
新潟県内で猛暑が続いている。高温と水不足に不安を募らせるのは農業者だ。
8月18日の県内は今日も晴れ渡っている。7月後半の梅雨明け以降、雨の降る日が極めて少ない。天気予報には時折雨マークもつくが、一部の地域か、ほんの一時降る程度。県内のダムでは早出川ダムなど貯水率が0%に達するところも出始めている。お盆時期には、三条市など県内の各地域が全国でもっとも暑くなったことで話題になった。
「コシヒカリの出穂期は8月頭ごろからになるが、その間の気温が非常に高い状況で続いている。まだ稲刈りには時間があり、最終的には収穫してみないとわからないが、(高温による影響への)懸念は十分ある」と、県農林水産部の職員は不安を話す。
新潟県産米は2019年、台風によるフェーン現象で品質低下の打撃を受けた。今年は強力な熱風こそあまり吹いていないものの、白濁化などの高温障害が危惧されるところである。
一方で新潟県柏崎市では極早生品種米の収穫も始まっており、こちらの品質検査では悪くない結果が出ている。次回検査や、メインとなるコシヒカリの品質にも引きつづき注視していきたい。
渇水の状況も深刻で、県は水の管理徹底などを呼びかけている。また、農業用水に水が流れていない地域では、消雪パイプで地下水を利用するところも出てきているなど、例年に無い対応をとらざるをえないところもある。そうした中、雨だよりになる棚田などの天水田ではすでに被害も出始めている。
米とともに、大豆や枝豆、里芋などの作物への被害が報告され始めている。また県によると、小千谷ではカリフラワーの植え付け時期に差しかかっているが、まだ根の張っていない苗が高温の影響を受けているという。各自治体では、現地へ赴いて被害状況を調査するとともに、生産者からの相談や指導巡回を行っている状況だ。
なお、今後の予報(新潟地方気象台発表 18日15時時点)を見ると、新潟市では35度を超える猛暑日は少なくなるものの、8月末まで30度を超す日がまだまだつづくようだ。また気象台によると「山沿いでは一時的に雨が降る場合はあるが、広い範囲で降る予報は出ていない」という。
高温と渇水による農作物への影響については今後さらに深刻化することが予想され、生産者と行政は対応に追われるだろう。